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日立SolがBYOD導入支援サービス、「端末公私分離」の手法に妙あり

日立Sol 専務執行役員の石井清氏

 株式会社日立ソリューションズ(日立Sol)は10日、BYOD(Bring Your Own Device)を実現するための「モバイルプラットフォーム構築ソリューション」を7月11日より提供開始すると発表した。

 今回のソリューションは、米Remotium社のスマートデバイス仮想化基盤「Remotium(リモーティアム)」を活用し、スマートデバイスを業務利用できる最適な環境の企画/設計、構築までを提供するもの。仮想環境上で業務を行うためスマートデバイスに業務データが残らず、情報漏えいリスクを軽減し、BYODの課題である公私分離も実現できるのが特徴となっている。

 日立Sol 専務執行役員の石井清氏は、同ソリューションを提供する市場背景について、「法人向けのスマートデバイス市場は、ここ数年で大きな伸びを示しており、今後も確実に市場が拡大していくことが見込まれている。その中で、スマートデバイス関連ソリューションについてフォーカスしてみると、BYOD支援ソリューションの売り上げが最も大きく、今後さらなる成長が期待できる分野となっている。そこで今回、当社が長年培ってきたセキュリティ事業の強みを生かし、スマートデバイスを業務利用するために最適な環境を構築するソリューションを提供する」と述べている。「今後、当社がラインアップするセキュリティ関連ソリューションとの連携を強化しながら拡販を行い、2016年度で10億円の売り上げを目指す」と意欲を見せた。

 「モバイルプラットフォーム構築ソリューション」では、スマートデバイス向けの仮想基盤として「Remotium」を採用し、社内に構築された仮想基盤上に、業務で利用する各種アプリケーションが搭載される。「Remotium」の特徴について、米Remotium社CEOのSinan Eren氏は、「BYODの導入にあたって、企業はデバイス、ユーザー、アプリケーションの3つの分野でリスクを抱えることになる。『Remotium』では、仮想化とアプリケーションのストリーミング技術を活用したバーチャルタブレット方式によって、これらのリスクをすべて解消する。具体的には、業務用の仮想スマートデバイスを社内のバーチャルサンドボックス上に構築し、端末からリモートアクセスすることで、個人データと業務データを完全に分離できる。また、ユーザーの環境はその都度構築され、ユーザーやアプリケーションの行動はすべてログに保存されるため、安全なBYODを実現できる」と説明している。

 従来、端末内の公私分離にはコンテナ方式が採用されてきた。これは端末内にサンドボックス環境を作り、その中で業務用のアプリやデータを扱うものだ。これに対して、Remotiumでは、業務領域としてのコンテナを端末内ではなく社内に構築するのが特長となっている。

米Remotium社CEOのSinan Eren氏
スマートデバイス仮想化基盤「Remotium」のシステム構成
「モバイルプラットフォーム構築ソリューション」の概要
バーチャルタブレット方式の概要

 日立Solでは、「Remotium」上に、メールや文書作成、スケジューラーなどのオフィス業務系アプリケーション、およびイントラシステムなど企業独自の業務アプリケーションを搭載するとともに、認証ソリューションやネットワーク、サーバーインフラを含め、スマートデバイスを業務利用できる環境を「モバイルプラットフォーム構築ソリューション」として、一括で提供する。また、既存環境との連携も実現しており、短期間かつ円滑にスマートデバイスの業務利用を開始できる。

日立Sol プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部 ソリューションビジネス部 部長の松本丘氏

 日立Sol プロダクトソリューション事業部 プラットフォームプロダクト本部 ソリューションビジネス部 部長の松本丘氏は、「『Remotium』のバーチャルタブレット方式により、端末内の個人領域には業務データが保存されないため、端末紛失などのインシデント発生時も、端末のデータ削除を行う作業が不要になる。また、管理者は、端末管理をする必要がなくなり、当社が提供する仮想スマートデバイスの管理機能を利用することで、業務アプリケーションのインストールやモニタリングを実行することができる」と、BYODの導入にともない発生する管理工数を大幅に削減できることを強調した。

 なお、仮想スマートデバイスでは、スマートフォンやタブレットのタッチ操作に最適化したアプリケーションが動作し、端末の機種やOSが変わっても統一的な操作を実現する。アプリケーションは、マーケットプレイスで公開されているネイティブアプリケーションがそのまま利用でき、Android向けに開発したユーザーアプリケーションも利用することが可能となっている。また、これらのアプリケーションや設定は管理者が一括して管理・制御することができ、通信などの利用状況もログとして確認できるという。

 今後、日立SolとRemotium社は、「モバイルプラットフォーム構築ソリューション」の提供開始を機に、協力体制をさらに強化していく方針。「当社とRemotium社は、2013年から共同で、日本におけるBYODに関するニーズの調査や日本固有の要件の製品への反映を行い、日本市場向けの製品開発を行ってきた。今後は、当社が『Remotium』の日本初の販売代理店となり、マーケティング活動も共同で行っていく」(松本氏)との考えを示した。

(唐沢 正和)