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NTT Com、「大阪第5データセンター」を建設開始

大阪第5データセンター」の外観イメージ

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は10日、大阪市内で5番目となる「大阪第5データセンター」の建設を開始すると発表した。大阪市の中心部に位置する都市型データセンターで、2015年度第4四半期より提供開始される予定。

 「大阪第5データセンター」は、サーバールーム面積が約3700平方メートル(1600ラック相当)の大規模データセンター。大阪では、金融や製造業などを中心に本社機能を関西圏に集積する企業増加がしており、これに伴うシステム規模の拡大や、首都圏のデータセンターのバックアップサイトとしての利用増などから今後の成長が見込まれるため、新たなデータセンターの建設を決定したという。

 このデータセンターでは、NTT Comグループが持つなデータセンター設計・運用経験を生かした、エネルギー効率の高い水冷式空調機、壁面吹き出し空調方式、建物外気温を利用した外気冷房システム、高効率な電力設備などを導入。関西圏では初めて、PUE値1.3(設計値)の高い電力効率を実現する。

 また、既存建物基礎の有効活用、剛性を保ちつつ鋼材量を減少できるメガストラクチャー構造の採用、効率的な設備レイアウトなどにより建設費の削減も図るとのことで、これまで提供中の同クラスのデータセンターより約30%の低コスト化を目指す。

 交通に関しては、大阪市内中心地に位置し、新大阪駅をはじめとする複数駅からのアクセスが可能な高い利便性が特徴で、万一、公共交通機関が止まっても、全大阪市内および近郊から徒歩でアクセスできるという。

 敷地は大阪湾から約6キロメートル、淀川から約3キロメートル離れており、南海トラフ地震により想定される津波、洪水、高潮などの水害が発生しても、電力設備、通信設備、サーバールーム、その他の重要設備はすべて建物2階以上(地面より7メートル以上)に設置されるため、データセンターの運用継続が可能。阪神・淡路大震災や東日本大震災クラスの地震でも建物に支障がない免震構造も採用した。

 通信設備についても、関西エリアのIX拠点である大阪堂島の既存データセンターと、大型の通信用耐震トンネル「とう道」を経由して光ファイバーを直結することにより、大阪堂島エリアと同等の低遅延かつ高品質なネットワーク接続環境を提供可能。「とう道」を利用しているので、建物に引き込まれる通信ケーブルが地震や道路掘削などにより損傷する心配がないほか、異なる変電所から異なるルートで電力供給を受けられるため、高い電力供給信頼性を実現したとしている。

 さらに、NTT Comが提供するクラウド基盤と仮想ネットワークで接続することにより、クラウドサービスとコロケーションサービスを併用したハイブリッドクラウド環境を手軽に実現できる点もメリットとのこと。

石井 一志