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SAPジャパン、ペタバイト級のデータ分析が可能になった「Sybase IQ 16」

カラム型データベースエンジンの新版

 SAPジャパン株式会社は12日、データウェアハウス(DWH)のデータベースエンジン新版「SAP Sybase IQ 16」を第4四半期(2013年10~12月期)に発売すると発表した。

 SAP Sybase IQは、SAPのリアルタイム・データ・プラットフォーム(RTDP)戦略の中で、SAP HANAのニアラインストアとして位置付けられる製品。ビッグデータと呼ばれる膨大なデータの高速分析を可能にする。

 新版では、ペタバイト級の容量への対応とリアルタイム性の向上に向け、多数の新機能が追加された。大容量への対応としては、カラムストアのページ内部構造の変更によって圧縮効率を改善するとともに、FPインデックスの効率化を図り、ストレージ容量を削減。I/Oを減少させ、より大規模なデータにおいても効率的なデータアクセスを可能にした。

カラムストアのページ内部構造を変更。ページ内でデータを格納するセルを固定長から可変長に変更することで効率的にデータを格納できるようにした
FPインデックスを細分化しリソース節約やパフォーマンス向上を可能にする「N-Bit FPインデックス」を採用

 リアルタイム性の向上としては、インデックスとカラムへのロードをマルチスレッドにより同時に実行できるようにロードの内部処理を完全並列化。また、スケールアウトによるMultiplex環境において、クエリ分散が可能な場合、各ノードのキャッシュの状態を考慮し振り分けられるようになった。従来のように単にCPU使用率で分散するのではなく、クラスタ間でキャッシュリソースを有効活用できるため、今まで以上に高速な分析が可能になる。

ンデックスとカラムへのロードをマルチスレッドにより同時に実行できるようにロードの内部処理を完全並列化
クエリ分散が可能な場合、各ノードのキャッシュの状態を考慮し振り分けられるようになった

 このほか、LDAPサーバーとのセキュアなコミュニケーションにより、LDAPをサポートする各ベンダのディレクトリサービスと接続することが可能に。また、ロールベースのアクセス制御も可能となり、権限付与操作を個別に設定できるだけでなく、権限伝達の制御が簡単に行えるようになった。

ロールベースのアクセス制御も可能に

(川島 弘之)