地方自治体向け上下水道管理サービスの基盤に富士通クラウドを採用


WBC遠隔支援サービス

 富士通は7日、地方自治体の上下水道事業を支援するメタウォーター株式会社の新事業「ウォータービジネスクラウド(WBC)」のシステム基盤に「オンデマンド仮想システムサービス」が採用されたと発表した。

 WBCは、上下水道事業を運営する地方自治体や企業などを対象にした、クラウドコンピューティング技術を活用した新しいサービス。

 国内では多くの上下水道が老朽化し、2015年以降に「一斉更新時代」を迎えるとされる。地方自治体においては、厳しい予算確保、熟練技術者の不足が予想され、また、施設設備の各種モニタリングや情報管理のために個別に構築したICTインフラの運用・保守に手を焼いているという。

 共通基盤として利用できるWBCにより、これらの課題を解消。上下水道事業を運営する地方自治体や企業は自らシステムを抱える必要がなくなり、災害発生時などのデータ損失リスクも軽減できる。

 具体的にWBCでは、広域の上下水道施設の稼働状況、水位・水質・圧力などをモニタリングする「広域監視サービス」、施設設備の仕様・運転・稼働・故障・保守情報などをデータセンターで一元管理する「アセットマネジメントサービス」、組織の枠を超えた各分野の技術者が遠隔地から現場作業員の判断や業務を支援できる「遠隔支援サービス」が用意され、いずれも4月よりサービス提供が開始されている。

 このWBCのサービス基盤に、従量課金制のクラウドサービス「オンデマンド仮想システムサービス」が採用された。メタウォーターは必要な時に必要なだけのICTインフラを使い、ビジネス規模の変化などに合わせて拡張することが可能。新ソリューションの追加なども容易となり、システム基盤の運用・保守を自ら行う必要がなくなる。

WBCを支えるシステム基盤

 今後もメタウォーターでは、このシステム基盤を利用して、国内総発電量の1.5%を占める上下水道分野の電力削減を図り、CO2排出抑制に貢献する各種ソリューションも提供する予定。さらに地方自治体や企業など多くのパートナーの参画を募り、ソリューションメニューを強化。2013年度に30億円、2015年度に80億円の売り上げを目指す。

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