日本発のプログラム言語「Ruby」がJIS規格化


 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は22日、日本で発案されたプログラム言語「Ruby」の技術規格書が、JIS規格 JIS X 3017として同日付けで制定されたと発表した。今回、JIS規格化されたことにより、Rubyの相互運用性が向上して、より生産性の高いプログラム開発・システム開発が可能になる。なお、日本で発案されたプログラム言語がJIS規格となったのは、Rubyが初めてという。

 Rubyは、まつもとゆきひろ氏によって発案・開発された、国産のオブジェクト指向スクリプト言語。豊富な機能と簡便さとを持ち、高機能なアプリケーションでも簡潔に記述できるなどの特徴を持つことから、セールスフォースや楽天などの国内外の著名企業をはじめ、多くの企業のアプリケーション開発やシステム開発で用いられている。また、島根県や福岡県などの自治体においては、Rubyを核とした地域ソフトウェア産業振興施策も実施されるようになっていた。

 今回は、IPAに設置されたRuby標準化検討ワーキンググループで、Rubyの文法や基本的なライブラリなどの言語仕様をJIS規格とするための原案を作成。その後、Rubyコミュニティによるレビュー、日本工業標準調査会のレビューを経て、JIS規格として制定されたという。

 ユーザーが、Rubyによるプログラムをこの規格に準拠して作成すると、その可搬性や外部システムとの相互接続性を高められるほか、Rubyで書かれたプログラムを実行するための、サーバー環境などを開発する際の仕様のより所となり、安心して開発投資が行えるようになったとしている。

 さらにIPAでは、Rubyが広く世界で利用されていることを踏まえ、ISO/IEC JTC 1に対して国際標準化の提案をするよう、日本工業標準調査会に申し出を行ったとのこと。

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