IPA、社内クラウド構築に活用できるオープンソースソフトの評価結果を公開


 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のオープンソフトウェア・センター(OSC)は27日、「社内向けクラウド構築のために活用できるソフトウェアカタログ」を公開した。社内クラウド構築に活用できるオープンソースソフトウェア(OSS)について、30種類のソフトウェアを5項目・5段階で評価しており、文書はIPAのWebサイトからダウンロードできる。

 このカタログは、30種のOSSを、「仮想化」「クラウドの運用管理」「ディレクトリサービス」「分散処理基盤」など、9つの機能分野に分類してまとめたもの。「基本情報」「サポート」「開発の安定性」「成熟度」「機能」の5項目について5段階で評価を実施しているほか、18種類の商用ソフトウェアについて、基本情報のみを掲載している。

 各項目のうち、「基本情報」では、日本語コミュニティの有無や機能概要、類似ソフトウェア、ライセンスなどを、「サポート」では、ドキュメント整備状況、コミュニティサポート書籍、サポート企業の有無などを評価。

 また「開発体制」では開発主体組織やロードマップ、参加企業、開発者数、標準化活動などを考慮する。「成熟度」ではバグ数やフィックスまでの期間、フィックス率、脆弱性公開数と対応数といった側面から評価するほか、「機能」では、評価製品ごとに調査項目を設定している。

 なお、評価にあたっては、OSSを支援する各国関係団体が連携する国際組織「QualiPSo」で開発されているOSSのプロジェクト評価手法、OMM(OSS Maturity Model: OSS成熟度モデル)の考え方を一部採用。「そのOSSは長期的に安心して安定に使用できるのか」という視点から、OSSの開発体制やサポート状況について評価を行っているという。

 今回はあわせて、クラウドシステムの安定運用のために特に重要な運用管理ツールなどを取り上げ、詳しい評価を行った「クラウド運用管理ツールの基本 機能、性能、信頼性評価」も公開されている。

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(石井 一志)
2010/10/28 12:33