日立、SAN・NASを集約できる仮想化対応ストレージ「Virtual File Platform」


 株式会社日立製作所(日立)は27日、SANやNASを1台に集約して集中管理できるストレージ製品「Hitachi Virtual File Platform」(VFP)を発表した。11月1日から提供を開始する。単体で利用できる「ストレージセットモデル」が884万3100円から、既存のSANストレージを束ねて利用する「ゲートウェイモデル」が552万6150円から。

 同じく11月1日から、導入検討から構築運用までサポートするサービス「Hitachi Virtual File Service」も提供を開始する。まず、VFPの導入効果を可視化する「エコノミックサービス」と、VFP導入の最適構成を提案する「アセットサービス」を提供。2011年1月31日からは、稼働状況の提起レポートや構成変更など継続的な改善を支援する「マネージドサービス」を提供する。

仮想ファイルプラットフォームHitachi Virtual File Platform(ストレージセットモデル)仮想ファイルプラットフォームHitachi Virtual File Platform(ゲートウェイモデル)

 VFPは、複数の物理ディスクを1つのストレージプールとして集約し、そこから複数(最大256個、最大容量1PB)の仮想的なストレージをSAN(ブロックデバイス)やNAS(ファイルサーバー)として独立して提供するストレージ製品。SANのプロトコルとしてはFC(ファイバチャネル)とiSCSIに、NASのプロトコルとしてはCIFSとNFSに対応する。一台に集約することにより、容量の利用効率の向上や、一元管理、設備投資コストの削減のメリットがある。

 2011年2月には、各拠点のVFPのデータを企業の中央のデータセンターに自動的に集約する機能も提供する予定。各拠点でVFPを利用しつつ、中央でバックアップやアーカイブ、圧縮、重複排除などの管理ができる。また、利用頻度の高いデータを拠点に置いて頻度の低いデータを中央に置く階層ストレージ構成や、不正アクセス防止のため中央に集められたデータを拠点ごとに仮想的に分割して管理するマルチテナントの機能にも対応する。

 日立ではVPSを、大量のコンテンツデータを集約し統合して管理する「コンテンツクラウド」と位置付ける。同社はストレージソリューション事業の売り上げが2009年実績で2040億円のところ、2012年に3,300億円、2015年に4,000億円の事業拡大を目指す。株式会社日立製作所 情報・通信システム社 プラットフォーム部門COOの小菅稔氏は、その一環として、「SANストレージでの実績とノウハウを生かし、エンタープライズ製品とミッドレンジ製品に続き、ファイルストレージをストレージ分野の第3の基盤製品にする」と語った。

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 プラットフォーム部門COO 小菅稔氏展示されたVFP(ストレージセットモデル)
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(高橋 正和)
2010/10/27 16:16