国内コラボアプリケーション市場は2010年から回復、2014年には756億円規模に－IDC Japan予測

国内コラボレーティブアプリケーション市場 売上額予測、2007年～2014年（出典：IDC Japan）

　IDC Japan株式会社は26日、2009年における国内コラボレーティブアプリケーション市場規模実績と、2014年までの市場規模予測を発表した。

　それによると、2009年の国内コラボレーティブアプリケーション市場規模は666億円で、前年比4.3％減のマイナス成長となっている。しかし2010年は、経済の回復に伴い予算凍結などで停滞していた更新需要が回復することなどから、成長率は0.7％と下げ止まり670億円の市場規模と予測。さらに、2011年以降は成長率が2～3％台で推移し、2009年～2014年の年間平均成長率（CAGR）は2.6％、2014年の市場規模は756億円に達する見込みとしている。

　また、コラボレーティブアプリケーション市場の5割程度を占める統合コラボレーティブ環境市場では、大企業および中堅企業で導入が一巡し、更新需要が中心となって成長を支えているのが現状だという。2009年は、全体として前年比4.9％減の338億円となったが、これは官公庁・地方自治体といった公共機関、電力などの公益事業が市場を下支えしましたもの。

　2010年は、停滞していたプロジェクトベースの更新案件が経済の回復とともに動き出し、成長率は0.9％と下げ止まる見込みで341億円の市場規模を予測する。さらに2011年以降は成長率が2～3％台で推移し、2009年～2014年のCAGRは2.4％、2014年の市場規模は382億円と予測している。

　このほか、エンタープライズポータル市場は、企業の情報系および業務系システムのフロントエンド基盤から、コラボレーティブ環境でのプラットフォームとして、導入が拡大している。2009年は、やはり経済不況により大企業を中心とした新規需要が減少し、市場規模は前年比1.9％減の131億円にとどまった。

　今後は、統合コラボレーティブ環境アプリケーションやチームコラボレーティブアプリケーション、SaaS型サービスなどとの競争が激しくなると予想されており、2011年までマイナス成長、2012年以降からプラス成長に転じる見込みで、2009年～2014年のCAGRは0.3％、2014年の市場規模は133億円との予測されている。