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国内企業の“クラウド成熟度”、コスト削減以上の効果を期待する高いステージの企業が半数以上に~IDC Japan
2016年9月16日 06:00
IDC Japan株式会社は15日、クラウドに関わるユーザーアンケート調査「IDC CloudView Survey」を実施し、クラウドを利用中の国内企業におけるクラウドの“成熟度“を分析した結果を発表した。
調査によると、国内ユーザー企業の44.2%は、クラウドの成熟度がステージ1(個人依存)からステージ2(限定的導入)の低い段階にある。同ステージの企業は、クラウドの利用価値について、「コスト削減」「IT/業務の効率化」を重要視する傾向があるという。
一方、ITの俊敏性向上など、コスト削減/効率化以上の効果を期待し、実現に取り組んでいる、成熟度ステージ3(標準基盤化)、ステージ4(定量的管理)、ステージ5(継続的革新)の企業は55.9%となっており、クラウドを利用中の国内ユーザー企業の半数以上は、クラウドを単なるコスト削減/効率化の手段から、ビジネス強化のための基盤として考えるようになっているとしている。
また、調査では、クラウドを活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している企業(リーダー企業)と、そうでない企業(フォロワー企業)の比較を実施している。
リーダー企業は現在の成熟度ステージが低くとも、クラウドをIT課題としてだけでなくビジネスと結び付けて検証しているが、フォロワー企業はクラウドをIT課題として考えており、ステージが低い企業は「コスト削減」「効率化」に注力し、ステージが高い企業であっても「ITガバナンス強化」「ITの俊敏性向上」の取り組みにとどまっていると指摘。フォロワー企業がリーダー企業となるためには、ITとビジネスの間の障壁を取り除く、企業文化の変革が求められるとしている。
IDC Japan ITサービス リサーチディレクターの松本聡氏は、現在、多くの企業がDXに高い関心を寄せているが、その中核となるクラウドの成熟度は決して高くないと説明。「企業は、自社のクラウドの成熟度を定量的に評価し、成熟度を高めるためのアクションを実行に移すことが重要である。また、クラウドはIT課題ではなく経営課題として考え、全社的な協業体制によってクラウドファースト戦略を遂行すべきである」と分析している。