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Software Definedなインフラ技術が集結! SDI ShowCaseを見る
Interop Tokyo 2015レポート
(2015/6/17 06:00)
「Interop Tokyo 2015」では、Software Definedなインフラ技術に関して各社が展示する「SDI ShowCase」が設けられた。
すでに単独記事で紹介したものもあるが、ここではまとめて展示内容を紹介する。
ホワイトボックススイッチを使ったSDNソリューション
ネットワンシステムズとユニアデックスのブースではそれぞれ、Big Switch Networks社のネットワーク仮想化製品「Big Cloud Fabric」を展示していた。SDNコントローラーの「Big Cloud Fabric SDNコントローラー」と、ホワイトボックススイッチ用ネットワークOSの「Switchlight OS」、トラフィックキャプチャーの「Big Tap」からなる。
ネットワンシステムズのブースではさらに、Switchlight OSのコアオープンソースであるOpen Network Linuxが搭載できる、Facebook社が開発してオープンハードウェアにした「Facebook Wedge Switch」を展示していた。
なおBig Cloud Fabricは、Best of Show Awardのクラウドプラットフォーム部門で審査員特別賞を受賞した。
スイッチ用のネットワークOSとしてはほかに、IP Infusion(ACCESSの米国子会社)のブースで「OcNOS」を展示していた。ホワイトボックススイッチ用のネットワークOSで、ブースでは提携しているDellのスイッチで動作させていた。
同ブースではまた、Intel DPDKを使ったx86サーバー用の仮想ルーター「VirNOS」もデモしていた。
ShowNetのIXでも使われるソフトウェアベースのOpenFlowスイッチ
NEC、NTT、NTT Com、富士通、日立によるSDN共同研究「O3 project」のブースでは、ソフトウェアベースのOpenFlowスイッチ「Lagopus」をデモしていた。NTTが開発し、オープンソースで公開しているソフトウェア。x86サーバーでIntel DPDKにより10Gbpsワイヤレートのパケット処理性能を実現し、100万フロールールをサポートするという。
ブースで小さなマシンで4Gbps(1GbE×4)で動かしてみせるとともに、ShowNetではNEC PFシリーズとともに大手町-幕張を結ぶSDN-IXで使われていた。なお、Best of Show AwardのSDI部門で審査員特別賞を受賞した。
通信事業者のSDN/SFVのコンセプト
NTTコミュニケーションズのブースでは、NFVによるvCPE(仮想カスタマー構内設備)のコンセプトモデルを展示していた。必要な機能を、クラウド・キャリア・拠点のどこに置くのが最適かを考えて、ポータルからドラッグ&ドロップで配備してサービスチェイニングするというものだ。例えばキャッシュであればキャリアに、WAN高速化装置であればクラウドと拠点の2カ所に配備するといったことができる。
また、NFVでトラフィック解析システム「SAMURAI」を配備し、DDoSを検知・緩和する例もデモされた。
KDDI研究所のブースでは、SDN/NFV時代の通信サービス運用自動化をデモしていた。共通基盤機能を汎用サーバー上の仮想機能とし、自動制御によりサービスの構築や復旧にかかる時間を短縮するという。
拠点間接続の管理コストを下げるソリューション
ネットワンのブースで展示されていた「VeloCloud」は、拠点間のWANを仮想化して、クラウドから設定するソリューション。拠点では機器を接続するだけで、ゼロタッチプロビジョニングが実現できるという。なお、Best of Show Awardのクラウドサービス部門で準グランプリを受賞した。
ニュアージュ・ネットワークス(Nuage Networks)のブースでは、集約型拠点管理ソリューション「Virtualized Network Services」を展示していた。拠点に専用VPN装置の代わりに物理または仮想のアプライアンスを置き、SDNによって中央から集中管理するもの。なお、Best of Show Awardのエンタープライズ/SMBネットワーキング部門で準グランプリを受賞した。
東京エレクトロンのブースでは、「Software Defined Secure WANソリューション」として、「vIPtela」を参考出展していた。拠点間の接続にIPsec VPNを用い、それを集中管理することで、低コストで柔軟な拠点間接続を実現するという。拠点に置くエッジルーター「vEdge Router」は、専用TDMチップで個体認証することで、安全にゼロタッチプロビジョニングできるという。
仮想CGNATと、ネットワーク機器の統合設定ツール
エーアイコーポレーションのブースでは、キャリアグレードNATの仮想アプライアンス「NFWare CGNAT」をデモ。また、データモデル言語1つから、NETCONF、SNMP、REST、CL(Junos、IOS、IOS XR)、Web UIの5種類のネットワーク機器の設定を生成する「tail-f ConfD」を展示していた。
Canonicalのコンテナ型仮想化技術「LXD」と、OpenStackサポート
Linuxディストリビューション「Ubuntu」を開発するCanonical社のブースでは、サーバーのコンテナ型仮想化技術「LXD」と、OpenStackのサポートについて展示していた。
LXDは、Linuxコンテナを管理する仕組み。1つのコンテナで単一プロセスを動かす「Docker」とは異なり、1つのコンテナでシステム一式を動かしてハイパーバイザーのように使うのがコンセプトで、「コンテナ型ハイパーバーザー」を名乗っている。複数マシン間のライブマイグレーションにも対応する。
OpenStackのサポートとしては、Ubuntu OpenStackサポートプログラムや、互換性を検証するOpenStack Interoperability Lab(OIL)への企業の参加を展示。さらに、オーケストレーションツール「Juju」で、OpenStackのコンポーネントや、SDNシステムなどを、Charm(パーツ)として組み合わせられるところをデモしていた。
仮想化したテスターや、400GbEテスター機器
イクシアコミュニケーションズ(Ixia)のブースでは、同社のテスト製品を仮想アプライアンス化した製品を展示していた。「BreakingPoint VE」は、トラフィック/セキュリティテスト製品BreakingPointの仮想版。「IxVM」は、パフォーマンステスト製品「IxLoad」「IxNetwork」の仮想版。「vTAP」は、パケットをモニターする仮想キャプチャリングツール。「IxChariot」は、デバイスとネットワークのソフトウェアテスター。これらにより、仮想環境内で完結してパフォーマンス等を計測できる。
また、実デバイスのテスター製品でも、世界初という400GbE対応の「400GbE Jumpstart」と25GbEテストソリューションが展示された。
なお、Best of Show Awardで、BreakingPoint VEがNFV部門の準グランプリを、400GbE Jumpstartがテスティング部門の審査員特別賞を受賞した。
システムをクラウド間でフェールオーバーする「CloudConductor」
TISのブースでは、クラウド間フェールオーバーのシステム「CloudConductor」を展示していた。Zabbixで動作を監視し、障害があれば、別のクラウドへChefの定義からシステムをデプロイする。宮城県登米市で災害時情報共有システムの実証実験が行われたという。なお、Best of Show AwardのSDI部門で準グランプリを受賞した。
Pluribusスイッチの分散処理機能で攻撃に対策
Pluribus Networksと日商エレクトロニクスのブースでは、Pluribus NetworksのFreedomサーバースイッチ製品をデモしていた。複数のスイッチが集中でなく分散コントロールで管理され、1つのスイッチのように動作する。また、スイッチとサーバー機能とが集約され、低レイテンシーの分散処理ができるという。ブースでは、SYNの数が一定数を超えたら攻撃を受けたと判断してテーブルを書き換えて処置する例をデモしていた。
Software Defined Storageも展示
ブロードバンドタワーとスキャリティのブースでは、ペタバイトクラスに対応するソフトウェアベースのスケールストレージ製品「Scality RING」を展示していた。ブロードバンドタワーは自社サービスでScality RINGを使ってきた経験をもとに、代理店としてScality RINGの販売も行う。
S3 API完全準拠のオブジェクトストレージ「Cloudian HyperStore」のCloudian社のブースでは、製品を紹介するとともに、ビジネスパートナーのソリューションを紹介。科学情報システムズ社の社員向けコンテンツ管理ソリューションと、トゥモロー・ネット社のアプライアンス製品が展示されていた。