1年間無償のリモートデスクトップサービス「GoToMyPC」を試してみよう!


 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(以下、シトリックス)は、東日本大震災で業務に影響を受けたりしている企業・団体などを支援する目的で、3つのオンラインサービスを1年間無償提供することを発表している。

 そのサービスとは、リモートデスクトップサービス「GoToMyPC」、Web会議サービス「GoToMeeting」、オンラインサポート用サービス「GoToAssist Express」の3つだが、今回はこのうち、GoToMyPCを実際に使用してみたので、その利用方法や使用感をレポートする。

 なお、アクセスする側のPC、アクセスを受ける側のPCのいずれも、OSはWindows XPを利用。回線は、異なるBフレッツ回線を利用し、インターネット経由で接続している。

 

年間99ドルのサービスが1年間無償に

 GoToMyPCは、Windows PC/Macにリモートアクセスするサービスで、Windows PC、Mac、iPadから接続して、リモートから操作を行うことができる。現状は、日本国内での商用提供は行われておらず、サービスで利用するWebサイトやソフトウェアなどは、すべて英語のままだが、震災復興支援のため、急遽日本向けに提供が開始されることとなった。

 ただ、日本語化されていないとはいっても、シトリックス側で日本語環境での検証は行っており、十分、日本でも使える状態になっている。こうした状況だけに、残念ながらサポートは提供されていないが、期限までに登録すれば無償で1年間利用できるので、自分の環境で利用できるかどうか、興味のあるユーザーは試してみるといいだろう。何せ、本来は月間9.95ドル、年間99ドルのサービスが、1年間も無償利用できるのだ。

 なお、1年間無償使用できる期限は、当初4月末までの登録とされていたが、その後6月末までに延長されている。

 

GoToMyPCの1年間無償利用に登録する

 さて、まずは登録をしてみよう。シトリックスのページにある「GoToMyPC登録ページはこちら」のリンクから登録ページへ飛び、必要事項を入力する。

 この申し込みページは通常のトライアル(30日間)と共用のデザインになっているようで、「Free for 30 Days」と記載されているが、次のページではきちんと1年間無料(Free for 1 Year)という表示に変わるので安心してほしい。

 なお、正しいリンクからアクセスしない場合は、1年間ではなく通常のトライアルになってしまうため、30日しか無償では利用できない。この点に注意しよう。


氏名とメールアドレスを登録する。Promo Codeは空欄でOK。また、「I agree to~」のチェックボックスにチェックを入れる続いて、パスワードにする文字列を登録する。条件として「8~32文字」「数字と文字を利用する」の2つが挙げられている会社のPCなど、アクセスを受ける側であれば「Yes, install GoToMyPC」をクリックしてソフトをインストールしよう
インストールを続行するために「実行」をクリックソフトをダウンロード中ダウンロードが終了すると、インストーラが起動する。「Next」を押して続行
インストールは自動的に進行するPCの再起動を求められるが、「No~」を選択し、Finishを押して設定を先に行ったFinishを押すと、サービスへのログインが求められるので、登録したメールアドレスとパスワードを入力してログインする
アクセスを受ける側のPCにニックネームをつけ、アクセス時のパスワードにあたる「アクセスコード」を設定する。アカウントのパスワードとは別の文字列を設定しよう。これで設定が完了した。ここでPCを再起動しておくアクセスを受ける側のPCのタスクバーに、「MYPC」というアイコンが表示されている。プログラムが常駐しているためだ

 

リモートから接続してみよう


ここで、PCをアクセスする側へ切り替えた。GoToMyPCのWebサイトにアクセスし、ログオンする。まずは右上の「Log In」をクリックしよう登録したIDとパスワードを入力して、ログオン画面中央に、登録したPC(アクセスを受ける側)のニックネームが表示されている。Connectをクリックすれば、アクセスがスタートする
初めてのアクセス時には、この画面が表示されるので、「Launch GoToMyPC」をクリックしようクライアントツール(Citrix Online Application Starter)がダウンロードされてくるので、実行するアクセスコードの入力を求められる。設定したコードを入力する
アクセスを受ける側のPCのデスクトップが表示されたこのように、全画面表示も可能だもちろん、アプリケーションも自由に使える。外出先からのメール確認やスケジュールの確認などが、よくある活用シーンだろう。もちろん、文書作成などもできる

 

GoToMyPCの使用感は?

 在宅勤務支援として1年間無償提供されるGoToMyPCだが、どのくらい使えるものなのだろうか。

 筆者の試した環境では、正直なところ、初期設定のままでは反応スピードが少しもっさりした印象だった。アクセスをする側もされる側もBフレッツであるので、回線速度が不足しているとは考えにくく、またアクセスする側の回線をイーモバイルの3G回線に変えてもほとんど変わらなかったため、これはサービス側の制約なのかもしれない。

 しかし、逆に言えば、モバイルでもほとんど変わらない反応で利用使えるということ。またパフォーマンス設定(左上のメニューで「View」→「Performance」)で調整したところ、反応速度の面ではかなり改善されたため、簡単な作業については、まったく問題なく使用できると感じた。現にこの原稿も、GoToMyPCを経由して執筆しているが、特に不満は感じていない。

 ただしこうした感覚については、個人個人で印象が異なるだろうから、無償で利用できるうちに、まずは一回、試してみることをお勧めしたい。うまくいけば強い味方として、あなたの仕事をサポートしてくれるだろう。


いちいちWebブラウザからログインしなくてもすむよう、ショートカットを作成することもできる画面設定も変更可能。パフォーマンス設定の変更は、一番上の「Performance」から行うパフォーマンス設定をスピード寄りにしたり減色したりすることで、筆者の環境では、もっさり感はかなり改善した
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