NEC、広島大学で大規模なシンクライアントシステムを構築
～従来システムと比べてCO2排出量を約６７％削減～
ＮＥＣは、国立大学法人 広島大学（所在地：広島県東広島市、学長：浅原利正、以下 広島大学）において、端末１,０００台を超える大規模なシンクライアントシステムを構築し、このたび本システムが稼動を開始しました。
広島大学が導入したのは、ネットブート型(注1)のシンクライアントシステムであり、OSや教育向けアプリケーションソフトがサーバで集中管理され、学生や教職員などの利用者はそれらのソフトウェアをシンクライアント端末にダウンロードして使います。本システムでは、シンクライアント端末の高性能な資源を利用することで、動画像コンテンツや3Dグラフィックスの利用などの高度な処理を実現するだけでなく、端末内にデータを保存しないことで、セキュリティの強化とサーバ一括管理によるシステム運用の効率化も実現します。
本システムは、ＮＥＣの省電力サーバ「Express5800/i120Ra-e1」(注2)３０台を中核に、シンクライアント端末として小型ワークステーション「Express5800/51Ma」(注3)１,１４４台で構成されています。両製品の低消費電力性により、広島大学は、年間消費電力量を少なくとも３０,０００kWh(CO2換算で約７,９５０kg)削減できると見込んでおり、これは従来システムと比べて約６７％のCO2削減となります。
広島大学は、２万人を超える学生・教職員を有し、「平和を希求する精神」「新たなる知の創造」「豊かな人間性を培う教育」「地域社会・国際社会との共存」「絶えざる自己変革」を理念に教育活動を進める一方、環境保全への貢献に力を入れています。今回のシンクライアントシステムの導入も、これを推進するものです。
システムの主な特長は以下の通りです。
１. 従来システムと比べ約６７％のCO2排出量を削減する環境配慮型のシステム
サーバには高信頼性・省電力性を兼ね備えた「Express5800/i120Ra-e1」を採用。シンクライアント端末には業界トップレベルの静音性・省電力性を実現した「Express5800/51Ma」を採用しており、木の葉の触れ合う音並みの22dB(注4)以下という静音性も実現。また、手のひらに収まる省スペース性を両立させる設計により、教室や自習室の限られたスペースを快適に有効活用している。
これらの省電力製品により、システム全体のCO2排出量を従来比で約６７％削減可能と見込んでおり、広島大学が目指す環境保全への貢献を推進するシステムを実現。
２.シンクライアントシステムでセキュアかつ利便性の高い教育研究環境を実現
・シンクライアント端末を、３つのキャンパス(東広島・霞・東千田)に分散する教室や図書館などに設置。本端末で、プログラミング・オフィス・数値計算・画像処理など約５０種のアプリケーションソフトが活用される。
また、ICカードを利用した認証システムとの連携や、Windows(R)環境に加えてLinux環境を容易に動作させることのできる起動画面など、多くの学部での授業や自習で使いやすいシステムを実現している。
・OSやアプリケーションソフトをサーバで一元管理することで、カリキュラムの変更に柔軟に対応した教育研究環境を実現。また、これまで大規模なネットブート型シンクライアントシステムを構築する際には、クライアント端末で利用する起動イメージ(注5)を複数のサーバに分散配置していた。そのため、パッチの適用やアプリケーションの追加など更新したイメージを利用するには、これらのサーバに新しい起動イメージを配布する時間や手間がかかっていた。本システムでは、起動イメージを専用ストレージ上にのみ配置することで、サーバ間での複製をすることなく、起動イメージの更新作業を一元化できるため、システム管理者の運用負荷をより削減することができる。
ＮＥＣは今後も、「オフィスまるごとエコ」のコンセプトのもと、環境負荷低減に貢献する最適なソリューションの開発・販売を進めていきます。
尚、本システムの構成については、下記URLをご参照ください。
http://www.nec.co.jp/press/ja/1012/images/1401-01-01.pdf
以上
(注1)ネットブート型シンクライアント
OS・アプリケーションともサーバからロードし、端末側で実行する方式。アプリケーションや周辺機器の制約が少ないというメリットがある。大学など教育機関や設計業務などに適する。
http://www.nec.co.jp/clsol/netboot.html
(注2) Express5800/i120Ra-e1の後継製品(Express5800/E120b-1)に関する詳細情報
http://www.nec.co.jp/products/pcserver/ecocenter/lineup.shtml
(注3)詳細 http://www.nec.co.jp/exp/
(注4)測定条件は、25度環境において、ISO7779準拠オペレータポジションにマイクを置いて実施。
(注5)起動イメージ：端末で使用するCドライブのイメージファイル(OS、アプリケーション)
＜本事例の詳細＞
http://www.nec.co.jp/library/jirei/hiroshima-u/index.html
＜広島大学について＞
http://www.hiroshima-u.ac.jp/index-j.html