ニュース
国内データセンターサービス市場は2019年に1兆3386億円規模に、IDC Japan調査
（2015/10/21 17:14）
IDC Japan株式会社は21日、顧客企業の情報システムを情報サービス事業者のデータセンターで監視・運用するデータセンター（DC）サービスの国内市場についての予測を発表した。2015年の国内DCサービス市場は前年比7.7％増の1兆429億円、2014年～2019年は年間平均成長率6.7％で成長し、2019年の市場規模は1兆3386億円になると見込んでいる。
国内DCサービス市場については、自社サーバールームから事業者DCへシステム移設する事例や、既存DCから耐震性能の高いDCへのマイグレーション事例が増えていると説明。また、オンラインゲーム、映像配信、SNS、ネット通販などネットビジネスの市場成長に合わせてサーバー能力が増強されていることも、データセンターサービス市場の拡大に寄与しているとしている。
市場で今後最も拡大速度が速いのは、クラウドサービスによるサーバー能力の提供サービスになると予測。これまでウェブアプリケーションなどのサーバーやシステム開発環境として使われることが多かったクラウドサービスが、企業の業務システムのサーバーとして利用される事例が次第に増えており、新たな顧客需要が掘り起こされると同時に、従来のDCサービス利用事例が安価なクラウドサービスに置き換わりつつあると分析している。
2015年の国内市場のシェアは、SI事業者／ITベンダーが63.6％、通信事業者が22.3％、DC専業事業者が14.2％。このうち、売上拡大が最も顕著なのは、クラウドサービスの急成長が特に著しいDC専業事業者で、2014年～2019年の年間平均成長率は11.4％になると予測している。
安価なサービスへのシフトにより価格競争が激化する一方、設備仕様／サービス品質に関する顧客企業の要求は厳しくなっており、さらにDC老朽化に伴う設備改修コストの増大や電気料金の上昇が、DC事業者の収益性を圧迫していると分析。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「ネットビジネスなどの成長分野への営業強化とともに、DC設備の調達／運用を見直すことが重要となる」とコメントしている。