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国内企業のモビリティソリューション導入、タブレットの導入率が高い企業で効果も高い~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は14日、国内におけるモバイル機器を利用した業務を対象にした企業向けモビリティソリューション導入/検討状況の調査結果と、問題点および導入のポイントについての分析を発表した。

 モビリティソリューションに対する投資を主導する部署については、本社部門や経営/管理部門がが35.0%で最も多く、次いでIT部門の25.1%となった。一般に、PCなどの機器の導入はIT部門が主導することが多いが、企業の中ではモビリティソリューションは新たな市場分野であるため、本社部門や経営/管理部門を中心に運用ルールを定めながら導入することが求められると分析している。

 モビリティソリューションの導入目的については、「生産性の向上」(50.1%)を挙げる企業が中心となっている。一方で、「販売や売上額の増加」は約23%、「カスタマーサービスの改善」は約12%と低い回答率となり、「工数/業務効率改善」を細分化した目標の項目も同様に低い回答率にとどまるなど、具体的な目標設定がされている企業は少ない結果となった。

 モビリティソリューションを導入済みの企業で、ソリューション投資に対する評価としては、約57%の企業が「会社上層部の期待に沿っている」と回答している。また、タブレットとスマートフォンの社内導入率別に評価を比較すると、それぞれの機器の導入率が40%以上の企業では、タブレットの「上層部期待に沿っている」とする回答率がスマートフォンを上回る傾向となっている。モバイル機器の社内導入率が上昇することで、業務アプリケーションなどへの展開が進み、より大画面のタブレットで導入効果が出やすくなっていると分析している。

 IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、「モビリティソリューションでは効果測定が十分にされないために、継続的な導入が進みにくい傾向が見られる。効果測定が十分にされていない一つの理由は、導入段階で導入目的を十分に細分化できていないことにあると考えられる」と分析している。

モバイル機器導入率別 モビリティソリューション導入効果

三柳 英樹