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楽天生命が代理店営業支援システムにDynamics CRMを採用、適切な情報共有を実現

 株式会社日立ソリューションズは1日、楽天生命保険株式会社(以下、楽天生命)が、保険代理店営業を支援するシステムを、クラウド型CRMサービス「Microsoft Dynamics CRM Online」で構築したと発表した。楽天生命の営業部門と全国の保険代理店の営業担当者を合わせた約600名に利用されており、Dynamics CRM Onlineでは国内最大級のユーザー数になるとのこと。システムは8月より稼働を開始している。

 楽天生命では、従来、基幹システムで保険契約者の顧客情報を管理してきたが、営業部門が把握する情報は、保険代理店の営業担当者との共有・活用が図られていなかったという。また、保険代理店の営業担当者の活動状況を営業部門側が把握することは難しく、営業活動の見える化や、代理店営業を支援する営業活動情報の、十分な活用にも課題があった。

 そこで、業務フローに合わせた各種機能の設定が容易な点や、日本のデータセンターで安心に供給できる点、柔軟なライセンス体系、クラウドシステムならではの短期間での開発・導入が可能である点を評価し、Dynamics CRM Onlineをベースとした保険代理店営業の支援システム構築を決めたという。

 また、Dynamics CRMを活用した将来的なシステム拡張計画を提案できたことや、米国子会社が金融分野で豊富なDynamics CRMの導入実績を持つことが評価され、構築パートナーとして、日立ソリューションズが選ばれている。

 この新システムでは、楽天生命の営業部門と保険代理店の営業担当者との間で、見込み顧客などからの資料請求の問い合わせ内容や、保険契約者が加入する保険内容の更新時期など、情報が適切に共有できるようになったほか、保険代理店の営業担当者の営業活動情報を集計できるので、営業部門による効率的な進ちょく管理が可能になった。

 さらに、現在の保険契約者で代理店の営業担当が不在となってしまったケースに対しても、過去の営業活動の履歴をもとに、営業部門から適切な保険代理店の営業担当者を任命できるようになったとのこと。

 なお、システムは複数の代理店の営業担当者が利用するため、保険契約者と契約内容に応じ、営業部門、保険代理店、営業担当者の3階層のアクセス権を適切に設定しているとした。営業担当者が閲覧できるのは、担当する保険契約者とその契約者の契約のうち、自身が担当する保険内容のみに制限されている。

石井 一志