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国内IT市場規模、2015年は14兆7150億円で前年比マイナス0.1%~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は5日、2015年第1四半期(1~3月)の実績および最新の景気動向などに基づき、2015年~2019年の国内製品別IT市場予測を発表した。

 2015年の国内IT市場規模は14兆7150億円、前年比成長率はマイナス0.1%と予測。前年の国内IT市場の成長を押し上げたPC市場が大幅なマイナス成長となるものの、スマートフォン市場が前年のマイナス成長からの反動でプラス成長となる上、円安による平均単価の上昇が影響し、2015年の国内IT市場規模はほぼ横ばいになると予測している。

 国内IT市場の内訳は、国内ハードウェア市場が6兆6135億円(前年比成長率マイナス3.1%)、国内ITサービス市場が5兆2827億円(同プラス1.8%)、国内パッケージソフトウェア市場が2兆8188億円(同プラス4.2%)。

国内製品別IT市場実績と予測:2014年~2019年(出典:IDC Japan)

 国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場については、2015年の市場規模は25兆4415億円、前年比成長率はマイナス1.0%と予測している。

 国内IT市場の2014年~2019年の年間平均成長率は1.2%、国内ICT市場の年間平均成長率はマイナス0.1%と予測。2019年の国内IT市場規模は15兆6057億円、国内ICT市場規模は25兆5868億円と予測している。

 2015年の国内IT市場成長率が、PCの大幅なマイナス成長にもかかわらず横ばいとなる原因は、景気回復に伴う戦略的IT投資の増加よりも、円安に伴うハードウェアの平均単価の上昇による効果の方が大きく、特別にIT市場全体の成長を支えている製品が存在しているわけではないと説明。IDC JapanのITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、「ITベンダーはより中期的観点から、国内のユーザー企業が事業成長にITを活用するには、何が足りないのかを分析し、経営面を含めた総合的な観点からソリューションを確立していくべきである」と分析している。

三柳 英樹