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2015年の国内IT市場予測、東京都と近畿地方以外はマイナス成長~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は27日、国内IT市場(官公庁、教育、一般消費者を除いた国内IT市場)の2015年~2019年の地域別市場予測を発表した。2015年の国内IT市場は、大都市圏とそれ以外の地域間の二極化が、円安の進展により量的、質的両側面においてさらに広がっているとしている。

 2015年の国内IT市場は、前年のPC更新需要反動の影響により、東京と近畿地方以外はすべてマイナス成長を予測。北陸新幹線に伴う市場拡大が一段落する北陸/甲信越地方や、生産拠点の海外移転が進む中国/四国地方、九州/沖縄地方において、IT支出が伸び悩むとしている。

国内IT市場 地域別前年比成長率予測:2014年~2018年(出典:IDC Japan)

 円安の進展は、2015年には東京を中心とした首都圏、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏に多く立地する輸出比率の高い大企業では、業績がプラスとなり、IT投資が増える。一方、それ以外の地域では、原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多く、2015年のIT支出をほぼ止めてしまっている中小企業も出ている。

 公共部門は、大都市圏以外の地域において、特にマイナンバー対応後に、いかに地域活性化にITを活かすことができるかが鍵となると説明。IDC JapanのITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、「企業向け市場においては、業績が改善した大企業の多い大都市圏中心に第3のプラットフォームによる戦略的ICTソリューションへのニーズが増える一方、それ以外の地域では、地域活性化をもたらす第3のプラットフォームを活用した公共ソリューションが市場をけん引する必要がある」と分析している。

 発表は、IDC Japanが発行したレポート「国内IT市場 地域別 2014年の実績と2015年~2019年の予測」にまとめられている。

三柳 英樹