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Windows 10対応の「ウイルスバスター クラウド 10」7月29日発売

 トレンドマイクロ株式会社は、総合セキュリティソフトの新製品「ウイルスバスター クラウド 10」を7月29日に発売する。

 Windows用の「ウイルスバスター クラウド」、OS X Yosemite(10.10)/Mavericks(10.9)用の「ウイルスバスター for Mac」、iOS/Android/Kindle Fire用の「ウイルスバスター モバイル」のそれぞれ新バージョンが提供され、この中から3台までの端末にインストールして使用できるマルチデバイス対応のラインセンス体系となった。ダウンロード版の価格(税込)は、1年版5380円、2年版9680円、3年版1万2780円。同社オンラインショップで7月29日17時より販売する。

トレンドマイクロ株式会社の大三川彰彦取締役副社長(27日に行われた記者発表会で)

Windowsでは「Windows 10」に対応、「OneDrive」保存ファイルもスキャン可能に

 Windows用のウイルスバスター クラウドについては、Windows 8.1/8/7/Vistaに加えて、マイクロソフトが7月29日に提供開始予定の「Windows 10」にも対応する。

「ウイルスバスター クラウド」メイン画面

 また、新機能として「クラウドストレージスキャン」を提供。マイクロソフトのクラウドストレージサービス「OneDrive」に保存されているデータをスキャンしてウイルスの検出が可能だ。マイクロソフトが公開している同サービスのAPIを介して、トレンドマイクロのクラウド上にあるエンジンからスキャンする仕組みだという。そのため、PCからスキャン開始操作をした後はPC側に負荷をかけずにスキャンでき、スキャン終了後に結果をメール受信することが可能。

 なお、この機能は、Windows OSと強く連携したクラウドストレージサービスということでOneDriveに対応したとしており、現時点で他のクラウドストレージサービスに対応する予定はないという。

「クラウドストレージスキャン」画面
「クラウドストレージスキャン」の仕組み

 Windows版のこのほかの新機能としては、アクセス先サイトのSSL証明書が偽造されたものである場合にアクセスを防止する「セキュリティ証明書チェッカー」がある。

 また、「情報漏えい対策」機能において「マイナンバー」に対応するための機能強化を実施。ユーザーのマイナンバーの一部を「守りたい情報」としてウイルスバスター クラウドに事前設定しておくことで、インターネット利用時(ウェブサイト、メール、メッセンジャー)にマイナンバーが外部へ送信されるのを防止する。

 このほか、プライバシーの観点からのFacebookの推奨設定を提示する「プライバシー設定チェッカー」も強化し、新たにFacebookアプリにも対応。ゲームなどのFacebookアプリの投稿範囲をチェックし、ユーザーがアプリ単位で公開範囲を設定できるようにした。

「セキュリティ証明書チェッカー」
「情報漏えい対策」機能の「マイナンバー」対応
「プライバシー設定チェッカー」のFacebookアプリ対応

 OS X用のウイルスバスター for Macの新機能としては、「スマートスキャン」への対応が挙げられる。パターンファイルの一部をクラウドに移行したことで、クラウド上の最新パターンファイルが常に利用できるほか、端末の負荷が下がり、リアルタイムの保護と軽快さを同時に実現するとしている。

「ウイルスバスター クラウド 10」はマルチデバイス対応
マルチデバイスへインストールする際、Windows版「ウイルスバスター クラウド」の画面からダウンロード先URL/QRコードなど提示してもらえる

遠隔ツールによるサポート付き製品もラインナップ

 ウイルスバスター クラウド 10に加え、サポートサービスを付加した製品「ウイルスバスター クラウド 10 + デジタルライフサポート プレミアム」もラインナップする。ダウンロード版の価格(税込)は、1年版7980円、2年版1万3800円、3年版1万8580円。

 デジタルライフサポート プレミアムは、PCやスマートフォン、周辺機器、インターネット接続、プライバシー相談などの問い合わせに、トレンドマイクロのサポート担当者が9時から24時まで365日対応するサービスだ。従来製品で提供している「デジタルライフサポート」のサービス範囲に加え、Windows版では専用の遠隔サポートツールを導入。これまで電話などでのやり取りで把握するのに時間がかかっていたOSやソフトなどの環境を迅速に把握できるようになり、トラブル解決支援の時間短縮が図られるという。また、Windows 10へのOSアップグレードについても対応範囲に追加している。

「デジタルライフサポート プレミアム」対応範囲
左がユーザーのPC画面、右がサポート担当者の画面。遠隔サポートツールをユーザーのWindows PCにインストールしてもらい、トークンを入力することで、ユーザーのPCとサポート担当者が接続される仕組み。遠隔サポートツールは、トラブル解決後にはアンインストールするまで案内するという

既存の「ウイルスバスター クラウド」ユーザーも、「10」にアップデート可能

 ウイルスバスター クラウド 10およびウイルスバスター クラウド 10 + デジタルライフサポート プレミアムのパッケージ版は9月4日に発売する。価格はいずれもオープンプライス。

「ウイルスバスター クラウド 10」パッケージ版
「ウイルスバスター クラウド 10 + デジタルライフサポート プレミアム」パッケージ版

 なお、既存製品のウイルスバスター クラウドのユーザーは、ラインセンス期間内であれば、7月29日17時以降、ウイルスバスター クラウド 10にアップデートでき、マルチデバイスで利用できるようになる。

 また、9月4日より前に現行のパッケージ製品を購入したユーザーも同様に、同時刻よりウイルスバスター クラウド 10へのアップデートおよびマルチデバイスでの利用が可能だ。

永沢 茂