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日立、ANAのITインフラ環境としてプライベートクラウドを提供

 株式会社日立製作所は14日、全日本空輸株式会社(以下、ANA)が利用する新たなITインフラ環境としてプライベートクラウドを構築し、従量課金制のPaaS型クラウドサービスとして提供を開始したと発表した。ANAは2019年までに、運航系システムや整備系システムなどANAグループの大半の業務システムをプライベートクラウド上に順次移行する予定。

 ANAグループは、2014~16年度中期経営戦略において、2011年度から2016年度までの累計で1360億円のコスト削減を目指しており、ITコストの見直しや生産性の向上に向けた構造改革に取り組んでいる。こうした背景のもと、日立はANAグル-プに対してITリソースの柔軟かつ効率的な利用を実現するプライベートクラウドの導入を提案し、採用された。

 日立は、ANAに対してプライベートクラウドを従量課金制のサービスとして提供。ANAでは、従来、各部門が個別に構築し、運用・管理していた各業務システムの大半を、プライベートクラウド上に統合・集約する。これにより、各業務システムの要件に応じたITリソースを、必要な時に必要な量だけ柔軟に利用し、ITインフラの運用・管理にかかる業務負荷やコストを低減する。

 プライベートクラウドの基盤には、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」やディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform」、統合システム運用管理「JP1」など、日立のプラットフォーム製品を採用するとともに、日立のクラウドサービス「Hitachi Cloud」の提供を通じたシステム構築ノウハウを活用した。

 ANA取締役執行役員の幸重孝典氏は、「このたび、ANAグループは航空業界の厳しい競争を勝ち抜き、さらなる成長を実現するために、ANAの新たなハイブリッド型データセンターを支えるITインフラ環境として、日立のプライベートクラウドを採用しました。日立は、高性能・高信頼な製品とこれまで培ってきたシステム構築に関する優れた技術力により、ANAグループの重要な経営基盤となる大規模システムの構築を短期間で実現しました。我々は、本プライベートクラウドと様々なパブリッククラウドをハイブリッドに活用することで、従来以上にコスト削減に取り組んでいくとともに、業務の質を高めることによって、安全とお客さまの満足度向上を実現するきめ細やかで高品質なサービスを提供してまいります。今後も、日立の力強いサポートを期待しております」とコメントしている。

三柳 英樹