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積水化学、海外15拠点にDynamics AX 2012を一斉導入

 株式会社シーイーシーと日本マイクロソフト株式会社は24日、大手化学メーカーの積水化学工業株式会社(以下、積水化学)が、海外15拠点に日本マイクロソフトのERP製品「Microsoft Dynamics AX 2012」を一斉導入したと発表した。導入・構築は、シーイーシーと、そのグループ会社である希意禧(上海)信息系統有限公司(以下、シーイーシー上海)が共同で行っている

 数多くの拠点とグループ会社を持ち、グローバルに事業を展開している積水化学グループは、国内ではグループウェアやERPを自社開発し、情報共有を進めてきたが、海外では通貨や税制対応のためにERPパッケージを利用し、拠点ごとにさまざまな製品を使用していた。しかし、海外連結会社の決算情報などをいち早く収集・共有するため、海外支社の標準ERPの採用を決断。これまで最も多く使われ、安定稼動の実績も高かったことから、2010年にDynamics AX 2009を導入している。

 ただし欧米などでは、2012年にリリースされたDynamics AX 2012が導入される中、アジア圏の拠点では引き続きDynamics AX 2009が使われており、バージョンの違いが課題になっていたという。そこで今回、ハードウェアのリース切れを契機に、アジア圏の15社でDynamics AX 2012への一斉アップグレードを行った。

 なお、この作業の実施にあたっては、2003年12月から積水化学の海外拠点にDynamics AXを導入している、シーイーシー上海の構築実績も高く評価したとのこと。アップグレードプロジェクトは、中国、台湾、シンガポール、タイ、インドネシアの15社を対象に、1年間という短期間で実施され、このたび本稼働が開始している。

 Microsoft Dynamics AXを各拠点に導入したことで、販社用と生産拠点用のデータベースが統合され、1つのシステムからすべてのデータの可視化ができたほか、製品やバージョンの統一により、人材やノウハウを共有が可能になった点もメリットという。さらに、新規拠点を立ち上げる場合でも、最短1カ月でERPシステムを構築できるようになった。

 なお、シーイーシーと日本マイクロソフトは、3月に発表したクラウドサービスに関する提携事業「Convergent(コンバージェント)」を通じ、日本国内だけでなく、グローバル企業の海外展開支援をより一層拡大するとしている。

石井 一志