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研究者・技術者の専門知識に特化したクラウドソーシング「ResQue」

 株式会社リバネスは4日、研究者・技術者に特化したクラウドソーシングサービス「ResQue」を開始した。

 さまざまなお仕事が受発注される一般的なクラウドソーシングに対して、ResQueの特徴は科学技術分野に特化する点。「○○の合成方法を知りたい」などの課題に日本中の研究者・技術者が専門知識やスキルを提供できる。

 リバネスはかねてより、若手研究者・大学院生のための助成制度「リバネス研究費」や研究者向けフリーペーパーの発行などを通じて、研究者・技術者とのネットワークを拡大。6月4日現在で1400名超の研究者・技術者へのアクセスが可能となっている。一方、研究開発部門を持たない企業においては、その道の人には単純なことでも自社内で解決が難しいという場合がある。

 こうした企業と研究者・技術者をクラウドソーシングの形で橋渡しし、中小企業の課題解決のスピードアップ、研究者・技術者の稼げる場を提供するのがResQueの狙い。また、「ResQueを経由して研究現場や研究者へ、科研費などの研究資金のみではない民間資金の流入が加速し、研究環境をより良くしていきたい」とする。

 ResQueのWebサイト上でアカウント登録すると利用できる。会員登録、課題解決依頼は無料で、ResQueへは提案した金額の中からシステム使用手数料を支払う方式となる。また、匿名での活動を保証する点も特徴。組織に属していて実名を出せない研究者・技術者も多いことから、表に出ないという条件で裏側で個人情報の認証を行い、その所属や実績を事務局が確認することで、研究者・技術者・依頼者の信頼性を担保するという。

 また、「1人が悩んでいることがあれば、同じことで悩んでいる人が世界中にいるだろう」と考え、2014年夏頃をめどに、ResQueで生まれた課題解決策をマーケットプレイスで再販できる仕組みを整える方針。ここでの売上げは、課題解決依頼者および課題解決者へ還元されるようになる。

ResQueとマーケットプレイスの仕組み

川島 弘之