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日立、モデル駆動型開発を取り入れたBSS構築支援ソリューション

 株式会社日立製作所(以下、日立)は19日、システムの高効率開発が可能な、ビジネスサポートシステム(以下、BSS)の構築支援ソリューションを開発したと発表した。BSSとは、サービスの申し込み、開通指示、契約管理、料金請求といった一連の基幹業務を管理するもので、通信事業者や、MVNOなどの通信サービス事業者向けに提供する。価格は個別見積もり。

 BSSは従来、モバイル通信や固定通信、クラウドサービスといった通信インフラごとに異なるアーキテクチャで個別に構築されてきたため、新サービスの投入や機能拡張に伴ってシステムが複雑化・肥大化し、運用コストが増大するといった問題を抱えている。そのため、競争が激化している通信サービス事業では、より効率的なIT処理基盤上にBSSを統合してシステム投資の最適化を図り、コストを抑えつつ、商品戦略に基づいた新サービス提供の迅速化を進めることが経営課題になっているという。

 また、顧客情報や課金情報を管理するBSSでは、データ通信トラフィックの急増に伴って、膨大で複雑な利用ログ情報をもとに、大規模な業務処理を行う必要があるほか、利用状況の分析結果を迅速にシステムへフィードバックし、新たなサービス・商品戦略として活用することが求められるなど、BSSの業務処理を支えるシステムの処理基盤には、さらなる効率化と高速化が要求されている。

 今回、日立が開発したソリューションでは、BSSの開発にモデル駆動型の開発手法を取り入れることで、システムの高効率開発を実現。設計から実装までの期間を短縮するとともに、システムを支える処理基盤にビッグデータ分散処理技術を適用して高速化を図っている。

 また、コンサルティングからシステム構築、維持管理、保守までを、日立がトータルに提供する点も特徴。拡張性のあるシステムを短期間で構築できるようになったことで、BSS導入に伴う負荷を大幅に軽減しているとのこと。

 あわせて、新サービスの投入や商品戦略の変更を受けた機能拡張、システム更改にも迅速に対応可能になったため、通信サービス事業者の新たなビジネス価値創出を支援できるとした。

 日立ではこのソリューションを、通信事業者や通信サービス事業者のみならず、業務遂行にあたって課金管理や大量データ処理が必要になるクラウドサービス事業者やM2M関連事業にも適用する考え。例えば、BSSで管理する顧客情報や契約情報と日立の「Traffic Management Solutions」を連携することにより、ユーザー特性に応じた、きめ細かなサービスの提供が可能になるとしている。

石井 一志