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日本HP、SSDをキャッシュとして用いるストレージソリューション

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は21日、最新のx86サーバー製品群「HP ProLiantサーバー Generation 8(Gen8)」のアレイコントローラ機能を拡張し、接続したSSDをキャッシュ領域として利用できるようにする「HP Smartキャッシュ」機能を発表した。同日より販売を開始している。

 I/O性能が必要な場合はディスクをSSD化することが、もっとも手っ取り早い手法だが、容量単価はHDDと比べるとまだまだ高価だ。そのため、予算が限られている昨今のIT環境では、すべての領域に適用するのは難しくなっている。

 そこで日本HPでは、HDDとSSDを併用し、アクセス頻度の高いデータをSSDへ自動的にキャッシュすることでアクセス性能を向上させる手法を、データベースなど、高いIOPS性能とそれなりの容量を必要とする用途に対して適用し、ディスクをすべてフラッシュメモリ(SSD)化する方法と比べて、価格を抑えながらも近い性能が得られるようにする。

 サーバー&ネットワーク製品統括本部 インダストリースタンダードサーバー製品企画部の中井大士部長氏によれば、「TPC-Eベンチマークでの検証結果では、SSDが約81%の追加投資で約4倍の性能向上が見られるのに対し、約6%の追加投資で約3.5倍の性能向上という結果が出た」という。

HP Smartキャッシュ
今回提供された、DAS向けのHP Smartキャッシュ
HP Smartキャッシュの効果

 具体的な仕組みとしては、データのアクセス傾向を自動分析し、アクセス頻度の高いホットデータをSSDのキャッシュ領域に配置している。また、「データには、あるデータにアクセスするとこっちのデータにもアクセスがある、といった関連性がある。アクセス頻度だけでなく、こうしたデータとデータの距離(関係性)を見て、関連するデータを同時にキャッシュすることで、さらなる高速アクセスを実現する」(中井部長)点も、日本HPならではの特長とのこと。

 なおSSDは、ひとつのサーバーに対して、最低1台から最大32台までキャッシュ領域として割り当て可能だ。

サーバー&ネットワーク製品統括本部 インダストリースタンダードサーバー製品企画部の中井大士部長氏
データの関連性を踏まえたキャッシングを行う

 また、今回はSATA/SASのSSDを利用しているが、今後は、より高速なPCI Express接続タイプのフラッシュ製品をキャッシュとして用いるソリューションを提供するほか、SAN接続の外部ストレージに対してもキャッシュとして動作する製品を提供する予定。ProLiant Gen8のアレイコントローラでは、アレイコントローラ自身がキャッシングの制御などを行っていたが、これらのソリューションでは、ネットPCに制御ソフトを導入する必要があるとのことである。

 利用するためには、サーバー1台あたりのライセンス料金3万450円に加えて、別途SSDが必要。これまで標準、あるいはオプションでアレイコントローラーが提供されているProLiant Gen 8については、すべての機種が対応する。

(石井 一志)