富士通、研究者業績情報を容易に公開できる大学向けSaaS「Ufinity 研究者業績サービス」


 富士通株式会社は14日、SaaS型の研究者業績情報サービス「Ufinity 研究者業績サービス」を同日より提供開始すると発表した。国内最大の研究者業績データベース「ReaD&Researchmap」から、大学ごとの研究者の研究業績を容易に公開できるとのことで、価格は月額4万5000円(税別)。

 大学設置基準強化に伴い各大学は、2011年4月から、自学の研究者や教員が有する学位および研究業績に関する情報をWebサイトなどで公開することが義務付けられた。そのため各大学では、こうした公開システムの構築が急務となっているが、専門のノウハウをもつ人員の確保やコスト面などに課題があるほか、研究者も業績情報を「ReaD&Researchmap」と所属大学のデータベースに登録する必要が生じていたという。

 こうした状況を受け国立情報学研究所は、大学および研究者の負荷を軽減するため、大学ごとに研究業績のデータベースを構築するのではなく、「ReaD&Researchmap」に登録されている研究者の業績情報から所属する研究者情報を抽出し、自学のWebサイトで容易に公開できるアプリケーションを開発していた。

 富士通が今回提供する「Ufinity 研究者業績サービス」は、このアプリケーションをSaaS型のクラウドサービスとして提供するもの。各大学の研究者業績情報サイトにあわせて、学部・学科など公開情報の設定が可能で、さまざまなデザインやレイアウトを用意しているため、大学の方針やイメージに合ったサイトを容易に作成できる。

 これを利用すると、大学独自の研究者業績データベースの構築や運用が不要になり、データを一元管理できるとともに、研究者の業績情報を迅速に公開できるようになる点がメリット。また研究者にとっても、業績情報の登録や更新を二重に行う必要がないほか、操作しやすい入力インターフェースを備えているので、作業負荷を大幅に軽減できるとのこと。


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(石井 一志)
2012/9/14 13:14