和歌山県教育委員会と富士通、Androidタブレットとクラウドを用いた学習の実証研究を実施


 和歌山県和歌山市教育委員会(以下、教育委員会)と富士通株式会社は11日、富士通のAndroidタブレット「ARROWS Tab Wi-Fi」とクラウドを活用し、学習に関する実証研究を同日より開始すると発表した。富士通では、実証研究環境の構築や、必要なアプリケーションの開発などを行っているという。

 今回の実証研究は、総務省が進める「フューチャースクール推進事業」の一環として行われるもので、和歌山市立城東中学校において、生徒が1人あたり1台の「ARROWS Tab Wi-Fi」を携行し、グループ学習や課外学習での情報収集・分類・整理など、タブレット端末とクラウドの特性を生かした学び方と指導方法の検証を実施する。

 具体的には、同中学校の生徒がWi-Fi機能とクラウドを活用することで、校外でも学校と同じ環境での学習を行えるようにし、生徒ひとりひとりの学習進ちょくにあわせた授業の振り返りや、復習をできるようにするという。


和歌山市立城東中学校のICT基盤のイメージ

 またこの研究開始にあたって富士通では、学習教材や生徒が撮影した写真に、手書きで自由に書き込みを行えるデジタルノートアプリケーションを開発した。このアプリケーションを用いると、複数の手書きデータを重ね合わせた表示ができるため、効率的なグループ学習と、ドリル教材やテストの繰り返し学習などが可能になる。

 書き込まれた各種データは専用クラウド環境で保存・管理され、学校内外のどこからでも自由に参照・編集が可能だが、クラウド環境内部が先生向け、生徒向け、教材用などの格レイヤに分かれており、利用者ごとにアクセス権限を設定しているので、セキュリティも保たれているとのこと。

 なお同中学校ではこの仕組みを利用し、5月11日から行われる海外修学旅行中の生徒と、インターネットを介したコミュニケーションなども行う予定だ。


デジタルノートアプリケーションのイメージ
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(石井 一志)
2012/5/11 13:07