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暖房機器メーカーのHEATEC、IoTネットワーク構築を推進

 株式会社HEATECは18日、中堅企業などがIoT技術を容易に導入できるプロジェクトを開始した。「OMOIKANnet」という名のプロジェクトで、IoTやセンサーネットワークを容易に実現するためのITインフラを実現する。その開発基盤として、日本IBMのPaaS「Bluemix」が採用された。

 1982年の設立以来、住宅設備分野を中心に暖房機器や電磁調理器具などの家電を開発・製造するHEATEC。同社は、電気ヒーターなどの暖房機器にセンサーと通信機能を搭載し、遠隔制御やモニタリングするホームオートメーションを推進している。

 また、自社製品に加えて、他社製品も簡単にインターネットに接続できるよう、仕様を公開して誰もが利用できるホームオートメーション・コミュニティも構築。2014年8月に、アルプス電気、イーアールアイ、日本システム開発、エーデックス、日本ヒーター、日本IBMなどの協力を得て、OMOIKANetプロジェクトを開始。IoTやセンサーネットワークを容易に実現するためのITインフラの構築に取り組んでいるという。

 2014年11月にBluemixを使ってプロトタイプを開発。課題として、家電からインターネット経由でサーバーに更新されるデータは温度などの数10バイトから100バイト程度であるが、HTTPを使用するとデータ送信で数100バイトのヘッダ情報が追加され、データ通信量が増えてしまう。また、ネットワークに接続する機器が1万台として10秒に1回サーバーと同期しても、アル瞬間には3000台程度が同時にアクセスする可能性がある。このような条件を吸収できるプロトコルとして、Bluemix上で提供する「MQ Telemetry Transport(MQTT)」を採用。IoT/M2M向けに開発された軽量プロトコルで、プロセッサやメモリのリソースが限られている組み込みデバイスでも軽量で実装が容易な点が特徴となる。

 HEATECは、プロトタイプの改良を進め、2015年4月には正式サービスを提供する予定としている。

川島 弘之