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SDIの概念に共感する企業は約55%も、実現を確信している企業はまだ少数~IDC Japan調査

Software Defined Infrastructure(SDI)実現に対する意識(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は11日、国内の企業・組織を対象に行った、企業におけるSoftware Defined Infrastructure(SDI)の実現に対する意識調査結果を発表した。調査は7月に実施されたもので、515社から有効回答を得ている。

 企業/組織のIT部門に、SDIの実現に対する意識について問うた設問で、「SDIを実現したい」と回答したのは14.6%にとどまった。一方で、「概念には共感できるが、実現できるかどうかはまだ分からない」という回答が28.5%、「概念には共感できるが、実現は非常に難しいと思う」が26.6%あり、SDIの概念に共感している企業は、およそ55%にのぼるという結果が出ている。

 ただし、それらの企業は将来的にSDIを実現できるかどうかは懐疑的であり、そのうち約半分は実現が非常に難しいと回答していること、また、実際にSDIを実現したいという企業も約15%にとどまっていることから、SDIを実現できると確信している企業は、まだ少数にとどまっているのが現状。従って、「今後SDIを志向するユーザー企業が増えていくためには、SDIの実現に確信が持てるような技術・製品への進化が必要になる」と、IDC Japanでは分析している。

 また、SDIを実現したい、あるいはSDIの概念に共感している企業に対して、SDIの実現で期待することを質問した結果では、「ITインフラにかかるコストを大幅に削減できる」が、最も多い49.6%の回答を得た。続いては「自律的な運用によってIT管理者の人数を大幅に削減できる」が41.2%で、この2つの回答は、SDIの実現によってIT製品・サービスにかかるコストと人件費の削減することに期待したものになっている。

 さらに、SDIの実現に向けてIT部門ではどのような取り組みが必要となるかを問うた設問に対しては、「中長期的なIT戦略の立案」が44.6%で、最も多い回答になった。以下、「IT部門の地位/権限を向上させ実現に向けたプロジェクトを主導する」が35.1%、「経営層に対して企業競争力向上のための必要性を認識させる」が27.9%と続いている。こうした回答を踏まえてIDC Japanでは、「SDIの実現には時間がかかるため、IT部門の組織力を向上させ、しっかりとしたITビジョンを作成できる体制を作った上で、経営層にSDIの重要性を訴求するマインドをユーザー企業が持つことが必要」としている。

石井 一志