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TIS、クラウドオーケストレーションソフト「CloudConductor」α版をOSS公開

 TIS株式会社は26日、クラウドオーケストレーションソフト「CloudConductor」のα版をOSSとして公開したと発表した。

 CloudConductorは、経済産業省が公募した平成25年度「産業技術実用化開発事業費補助金(ソフトウェア制御型クラウドシステム技術開発プロジェクト)」に採択され、開発された。クラウド上に構築するシステムに対して「耐障害性向上」「性能向上」「災害対策」にかかわる非機能要求を自動的に配備・設定・管理(オーケストレーション)することが可能なソフト。

 近年注目されている「SDx(Software-Defined Anything) 」の技術を活用し、ハイブリッドクラウドのような多様なシステム稼働環境を統合管理する技術開発を目指したもの。エンタープライズシステムのインテグレーション現場において、システムから稼働環境に依存する仕様を切り離し、「個別のクラウド」を超えてシステム方式設計における自由度と再利用性を向上させ、あらゆるリソースをソフトウェアで管理・制御する「SDI(Software-Defined Infrastructure)」を実現するものとなる。

CloudConductorの利用イメージ

 SDIが実現すれば、「システムの設計、構築、運用の各段階で、プライベートクラウドやパブリッククラウドといった稼働環境に依存しないシステム構成を組むことが可能になる」(TIS)という。

 要素技術としてOpenStack、Chef、Zabbix、RubyなどのOSS技術を活用しているが、CloudConductor自体もOSSとしてα版から広く公開することで、エンタープライズシステムの“暗黙知”として蓄えられてきた方式設計に関するノウハウを“形式知”として共有する“エコシステム”構築を目指すとしている。

川島 弘之