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日本SGI、スケールアウト型オブジェクトストレージ「OmniStor」

 日本SGI株式会社は8日、同社初となるオブジェクトストレージ「SGI OmniStor」を発表した。テキストや画像などの非構造化データを、大量かつ効率的に格納できるとのことで、同日より販売を開始する。価格は、4916万6200円(税別)から。

 オブジェクトストレージは、実データおよびメタデータ(属性情報)からなるファイルと任意のメタデータをひとつにまとめた“オブジェクト”単位でデータを管理することにより、大規模で複雑なデータをシンプルかつ安全に格納できる点が特徴。また、オブジェクト単位のデータ管理では、ファイル単位でデータを読み書きするNASと比べ、メタデータをきめ細かく付与できるため、ビッグデータ処理に必要なテキストや画像など、大量な非構造化データを分析・活用するデータ格納基盤として適しているという。

 さらに、階層構造でデータを格納するNASでは、ファイルサイズやファイル数などファイルシステムごとの制約があるが、オブジェクトストレージは、フラットな空間構造の中でデータの位置を示すIDを利用して管理することから、データサイズに制限がない点もメリット。このため、例えば、大きなサイズの動画でもデータを分割する必要がないほか、番組情報や字幕情報といったメタデータを実データと合わせ、ひとつのオブジェクトとして管理することが可能になっている。

 今回SGIが提供する「SGI OmniStor」は、米Scalityのオブジェクトストレージ構築ソフト「Organic RING」を、SGIのストレージシステムに組み込み、こうした特徴を持つオブジェクトストレージとして利用可能にするアプライアンス製品。ストレージへのアクセスはREST APIのほか、Amazon S3互換方式や、SNIA(Storage Networking Industry Association)が策定しているインターフェイス仕様のCDMI(Cloud Data Management Interface)、オープンソースのOpenStack Swiftによるアクセスもサポートする。

 ハードウェアは、4Uのストレージノード3台と、オブジェクトストレージソフトを搭載した管理ノード1台を最小構成とし、各ストレージノードには128GBメモリと4TB SAS HDD×72を搭載する。

 ストレージノードはスケールアウトに対応しているため、ノードを追加するだけで容易に容量を増やせるほか、分散アクセスによる負荷分散により、アクセス速度の向上を実現。データ保護についても、ノード間で互いにデータの複製を自動作成する機能を搭載し、RAID構成のストレージと同等レベルの保護が可能としている。

 日本SGIでは、クラウドサービス事業者やデータセンター事業者をはじめ、大規模な非構造化データの運用が想定される製造業、メディア/エンターテインメント企業、大学・官公庁の研究機関などへの販売を想定し、製品を展開する考えだ。

石井 一志