富士通、国内外共通のコミュニケーション基盤をグループ全体で統一へ~プライベートクラウドを利用


 富士通株式会社は19日、富士通グループ全体のワークスタイル変革を目指して、国内外関係会社約500社17万人を対象に、メール、ファイル共有などのコミュニケーション基盤を統一すると発表した。グローバル展開を早期に実現するために、この基盤としてプライベートクラウドを採用しているとのことで、富士通での導入を一部開始。2012年4月より国内グループ会社への展開、2013年度までに海外を含めたグループ全体での統一を目指す。

 従来の富士通グループでは、メールをはじめとするコミュニケーションツールを国内外の各グループ会社が独自に導入してきたため、さまざまなシステムが混在していた。しかしこの状況が続くと、グループ会社間のコミュニケーションを阻害するとともに、ビジネスリソースや実践ノウハウなどの情報分断をもたらし、ビジネススピードの遅滞や業務の非効率、ひいては運用費の重複などによる無駄なコストの発生などにつながることから、統一したコミュニケーション基盤の導入を決めたという。

 この基盤では、全社員が同一のメール、ファイル共有、スケジュール管理、プレゼンス管理、Web会議などの情報ツールを利用することで、グローバルにシームレスな情報共有を実現。グループ会社間のコミュニケーションを活発にし、ビジネスのスピードアップと機会拡大を推進する。

 さらに社内SNSの導入、タブレットやスマートフォンなどのICT機器の活用によって、場所と環境を選ばない情報共有やコミュニケーションの実現を目指すほか、認証基盤の統一によって、グループ全体の情報セキュリティの一元管理を可能にする考え。

 コスト面では、コミュニケーション基盤の統一により、無駄なシステム投資を抑制するとともに、年間システム運用費の30%以上の削減を推進するほか、音声・ビデオ会議の活用により交通費や移動時間を削減し、年間出張費用の20%以上を削減するとした。

 なお同社は、主にグローバル展開する国内企業に対し、今回の社内実践を踏まえたサービスを同日より提供するとのこと。具体的には、導入アセスメント、システム設計支援、システム構築支援などの各段階に応じたサービスを用意しており、個々の顧客企業に応じたサービスを提供する。価格は個別見積もり。


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(石井 一志)
2012/1/19 12:37