セールスフォースがオープン・プラットフォーム戦略を説明

“Cloud 2”ではオープン性が絶対条件


米salesforce.com プラットフォーム担当シニア・バイスプレジデントのバイロン・セバスティアン氏

 株式会社セールスフォース・ドットコムは28日、戦略説明会を開催。米salesforce.com プラットフォーム担当シニア・バイスプレジデントのバイロン・セバスティアン氏が同社のオープン・プラットフォーム戦略を紹介した。

 salesforce.comは、「有償利用のユーザーが9万2300を超え、年間推定収益18億ドルを超える初のクラウド企業に成長した」と同氏。

 提供するサービスも「Sales Cloud 2」「Service Cloud 2」「Chatter」「Force.com」「database.com」など多彩となっており、「大小あらゆる企業でサービスが利用され、4万サブスクライバ以上の大規模ユーザーも現れている」と語り始めた。

 これらを提供する上で同社が最もこだわっているのが「オープン性」で、例えば、オープン性という観点からは「Force.com」が活発で、「あらゆるアプリケーションをサポートするオープンなクラウドプラットフォームとして、順次サービスを拡充中」と紹介。

Force.comのメリットプロフェッショナル開発者向け、ビジネスアナリスト向けに多彩なサービスを提供

 具体的には、プロフェッショナルな開発者向けに、Javaによる開発が可能なPaaS「VMforce」、Rubyに対応する「Heroku」を買収も通じて取りそろえるほか、ビジネスアナリスト向けに、部門レベルのアプリケーションをほぼポイント&クリックのみで開発できる「Appforce」や、Webサイトの構築・更新を容易に行える「Siteforce」など、さまざまな人を対象に多彩にサービスを拡充している。

堅牢なRubyクラウドプラットフォームを提供する「Heroku」信頼のクラウド環境でJavaアプリケーションを構築できる「VMforce」

部門レベルのアプリケーション構築への最短パス「Appforce」Webサイトの構築・更新の革新的な環境を提供する「Siteforce」

 また、2010年末に開催した「Dreamforce'10」では、「database.com」も発表。「RDBにクラウドならではの柔軟性を採り入れたもので、ハード・ソフト不要で必要な時に必要な分だけ利用できる」と紹介し、「ソーシャル・モバイル・オープンが重要となるこれからの“Cloud 2”のために構築された初のエンタープライズデータベースだ」とアピールした。

 特長は、Java、Ruby、.NET、phpといった「あらゆる言語」、Force.com、Amazon Web Services、Google App Engine、Windows Azureといった「あらゆるプラットフォーム」、各種Webブラウザ、iPhone、Android、BlackBerryといった「あらゆるデバイス」に対応する点で、「あらゆるプラットフォーム、開発者にオープンな環境を提供する」と、ここでも「オープン性」を強調している。

クラウドのために構築された唯一のエンタープライズデータベース「database.com」あらゆるプラットフォーム、あらゆる開発者にオープンな環境を提供



“Cloud 2”ではオープン性が絶対条件

 同氏によればクラウドは現在、「簡単・速い・低コスト」が訴求された第一フェーズから、「ソーシャル・モバイル・オープン」に焦点を当てた第二フェーズに入っている。

 同氏は「Cloud 2で求められるのは、急増する非構造化データにレスポンスの早いリアルタイムUI」「新たなロール、新たなプロセス、新たなアプリケーションライフサイクルへの対応」「クラウドネイティブで高度に自動化された管理性」「大勢の技術者がかかわるスケールメリットを生かした高いセキュリティの実現」と指摘。

 「これらを実現するためには、デバイスを選べる、データ保存法を選べる、言語を選べるなど、オープンであることが絶対条件だ」とし、今後も「オープン」をキーワードに協力に戦略を推し進める方針を語った。

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