MS、ウェブとアプリのデザイン製品「Expression 4」日本語版を提供開始


「Expression Studio 4 Ultimate」のパッケージ

 マイクロソフト株式会社は21日、ウェブサイトやデスクトップアプリケーションの制作用デザインツールセット「Expression Studio 4」日本語版の提供を開始した。同日よりMSDNの会員向けに提供を開始し、企業向けボリュームライセンスを8月2日に、パッケージ製品を9月3日に発売する。また、60日間無料で使える試用版の提供も開始した。

 「Expression Studio 4」は、ウェブページやウェブアプリケーション、デスクトップアプリケーションのユーザーインターフェイスやデザイン制作を総合的にサポートするツール群。製品は、アプリケーションUIデザインツールの「Expression Blend 4」、ウェブオーサリングツールの「Expression Web 4」、動画エンコーダーの「Expression Encoder 4 Pro」、グラフィックツールの「Expression Design 4」の4つの個別製品から構成される。

 パッケージ製品としては、4製品がすべて含まれる「Ultimate」と、Blend以外の3製品が含まれる「Professional」を発売する。参考価格は、Ultimateの通常版が7万9590円、アップグレード版が4万5990円。Web Professionalの通常版が1万9740円、アップグレード版が1万290円。「Expression 3」のライセンスを保有しているユーザーは、Expression 4の試用版またはボリュームライセンスの製品版をダウンロードし、無償で正規ライセンスにコンバートすることが可能。

 このほか、「Expression Encoder 4 Pro」については、単体製品としてもダウンロード販売およびボリュームライセンス提供を行う。また、MSDNの会員向けには、「Visual Studio 2010」のエディションと合わせる形で、一部機能が制限された「Premium」エディションを提供する。

 ウェブサイト制作用の「Expression Web 4」では、HTMLやJavaScript、CSSを利用して、パネルやダイアログボックスなどExpression Blendの機能を拡張するアドイン機能を追加。複数のブラウザーでどのようにページが描画されるかをチェックできる「SuperPreview」機能では、Internet Explorer 8/7/6、Firefox、Safariに対応。Safariでのプレビューはクラウド上のMacから描画結果を参照する仕組みとなっており、現時点ではベータサービスだが、今後Safari以外のブラウザーもこの仕組みで対応する予定だという。

Expression Web 4ではアドインによる拡張に対応複数ブラウザーでの描画をチェックできる「SuperPreview」

 アプリケーション制作用の「Expression Blend 4」では、Sliverlight 4とWPF 4に対応。アプリケーションのプロトタイプ(モックアップ)が簡単に作成できるSketchFlow機能を強化したほか、パスレイアウトやPhotoshopからのインポートの向上などグラフィックおよびレイアウト機能を強化。マルチタッチへの対応など、インタラクティブ関連の機能も強化した。

アプリケーションのプロトタイプを作成できるSketchFlow機能パスレイアウトにも対応

 動画エンコーダーの「Expression Encoder 4 Pro」では、動画トランスコード、Silverlight、ライブブロードキャストと目的に応じたプロジェクトが選択可能となり、生中継用のLive SmoothStreamingブロードキャスト関連の機能を強化。Silverlight DRMへの対応や、スクリーンキャプチャー機能の向上などを行った。

トランスコード、Silverlight、ライブブロードキャストと用途に応じてプロジェクトを選べるようになったライブブロードキャストの画面

 グラフィックツールの「Expression Design 4」では、Silverlight 4およびWPF 4に対応。作業内容に合わせて最適なレイアウトをテンプレートして複数保存できるようになったほか、Windowsメタファイル(WMF/EMF)のインポートに対応した。

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