ニュース

日本IBM、音声のリアルタイムキャプチャを可能にするコールセンター向けソリューション

NICEのリアルタイムストリーミング技術やIBM Watsonなどを利用

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は15日、「コールセンター向けリアルタイム音声キャプチャーソリューション」を発表した。米NICEが開発したリアルタイムストリーミング技術を活用し、IBM Watsonなどを利用して、企業の顧客対応を迅速・的確に行えるように支援するという。価格は個別見積もり。

 コールセンターで音声データを取得する方式としては、現在、オペレーターが利用するPCにUSBで接続された音声分岐装置を経由し、サーバーに音声データを送信する方法が一般的という。しかし、金融機関や、個人情報を扱う高度なセキュリティが求められるコールセンターではUSB接続の利用が難しく、追加のPCを利用してセキュリティを確保する、といった対応が求められている。また、オペレーターの各席に音声分岐装置を配置するため、1台ごとの調整や保守の負担も課題になっていたとのこと。

 これに対して、今回提供するソリューションでは、NICEが開発したリアルタイムストリーミング技術のソフトウェア「NICE Real Time Voice Streaming」を利用。複数の通話から発生する音声を、リアルタイムでデータとして利用可能にした上で、IBM Bluemix上で活用しやすいようにデータ変換を行い、IBM Watsonの音声認識技術、質問応答システムと連携させる。

 これによってコールセンターのオペレーターは、顧客との通話中に通話内容を確認したり、問い合わせ内容に関連した回答やマニュアルを閲覧して、問い合わせに対する最適な回答を行ったりできるようになるとした。

 運用面でも、音声分岐装置を各席に配置する必要がなくなるので、セキュリティが向上するほか、機器調整や保守の負担軽減を図れるとしている。

 なお今後は、PCI/DSS準拠など、通話録音と同様のセキュリティレベルを適用していく予定だ。