ニュース

NEC、エプソンの基幹・業務系システムの基盤として「NEC Cloud IaaS」などハイブリッドクラウド環境を提供

 日本電気株式会社(NEC)は7日、セイコーエプソン株式会社に、100種以上・300サーバーを超えるシステムの移行環境として、「NEC Cloud IaaS」やハウジングサービス、「NEC Cloud DaaS」を提供したと発表した。

 エプソンはこれまで、社内で分散稼働していた各システムのホスティングサービスへの移行・集約を進めてきたが、コスト削減には限界があった。また、新事業への取り組みとして、例えばウェアラブルデバイスとITを組み合わせた新しいサービスの早期開発・リリースを行っていくために、ITリソースの迅速な調達や柔軟な拡張が可能な基盤環境へ変えていきたいというニーズがあったという。

 こうしたことから、エプソンではNEC神奈川データセンターで提供される「NEC Cloud IaaS」やハウジング環境を組み合わせたハイブリッドクラウドを導入。さらなるコスト削減と新サービスの早期リリース対応を実現した。

 エプソンの100以上のシステムを、複数のクラウド環境とハウジング環境に移行し、多様な技術要件に対応。具体的には、基幹業務となる設計情報統合管理システムなどはNEC Cloud IaaSの仮想サーバーに、販売・人事などの業務系システムは物理サーバーに、ネットワーク機器・セキュリティ機器などはハウジング環境に配置。従来と比べてシステム運用管理コストを約20%削減した。

 さらに、デスクトップ環境についても、ワークスタイル変革の推進を目的として、NEC Cloud DaaSを採用した。

 システム移行にあたっても、300台以上のサーバーで稼働中のシステムを、NECの移行ノウハウを活用し、当初予定通りの1年半でトラブルなくスムーズに移行。移行完了直後から、移行前と同等の運用を違和感なく再開できたという。

 また、移行後は、サーバーやネットワークのリソース調達を、NEC Cloud IaaSのセルフサービスポータル画面から行えるため、従来数カ月かかっていたリードタイムを1日に短縮し、新サービスの素早い開発・リリースが可能になったとしている。

 エプソンでは、今回のクラウド導入実績を、将来的に目指すグローバルレベルでの業務オペレーションの全体最適化・標準化に向けたリファレンスとして活用していく予定。