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NTTファシリティーズがスウェーデンMuntersと提携、PUEに優れたデータセンター実現を目指し

 株式会社NTTファシリティーズは24日、スウェーデンMunters Group Business Area Data Centers(以下、Munters)、および日本法人のムンタース株式会社と事業提携すると発表した。これに伴い、Muntersのデータセンター用間接蒸発冷却式空調システム「Oasis」を日本市場向けに強化した「Oasisバルコニータイプ」について、日本国内での独占販売権を取得。Oasisバルコニータイプと自社の設計・運用手法を融合させたソリューションを提供開始する。

 現在はグローバルベンダーによって、欧米の寒冷地を中心に、世界各国でPUE 1.1を切る高効率な大規模データセンターが次々に建設されているが、こうした事象におけるトレンドとして、水の気化熱を活用した「間接蒸発冷却式空調システム」の採用が挙げられるという。

 間接蒸発冷却式空調システムは、冬期や中間期にしか運転ができない従来の直接外気冷房やクーリングタワーを活用したフリークーリングとは異なり、冬季から夏季のいずれの条件でも、外気や水の気化熱を活用した冷却を実現可能なため、省エネルギー性能が飛躍的に高まる点が特徴。また、夏季においても空調消費電力を低減できるので空調機用の電源設備容量を削減でき、データセンター全体の設備構築コストの低減も可能になるとのこと。

Oasisのシステム構成
間接蒸発式空調システムの運転モード

 ただし、間接蒸発冷却式空調システムが一般になりつつある欧米では、平屋あるいは2階建てデータセンターを郊外に建設するケースが主流だが、日本では、都市部の限られた敷地に建設される3階建て以上の多層型データセンターが主流になっている。このため、限られた建築(屋上)面積であっても高発熱かつ高密度に設置されたICT装置を冷却し、さらには隣地境界における騒音値の低減が求められる。加えて、欧米と比較して高温多湿な首都圏や関西圏においてもグローバルに競争力あるpPUEを実現する必要があった。

 そこでNTTファシリティーズは、データセンター用間接蒸発冷却式空調システムでトップシェアを持つMuntersと提携。両社の技術力・ノウハウを結集して日本向けに開発したOasisバルコニータイプと、独自の建築・構造・設備設計手法および空調自動制御システム「Smart DASHR」を融合させた大規模データセンター向けトータルソリューションの提供を開始し、データセンター事業の拡大を図るという。

日本市場での競争力強化に向けたOasisのカスタマイズ内容の一例

 同社では、Oasisバルコニータイプに、省エネ性能の担保および建設コストの競争力向上を実現する独自の設計手法を融合させることで、東京においてベストプラクティスを実践した最新のデータセンター(pPUE 1.22)と比較しても、空調用エネルギーコスト(電気料金+水道料金)を27%削減、15年間ライフサイクルコスト(建設コスト:建築本体+電気・機械設備、15年間の空調用エネルギーコスト)を10%低減できるとした。

NTTファシリティーズの想定新築データセンターモデルにおける、年間空調エネルギーコスト(左)・15年間ライフサイクルコスト比較(右)

 なおNTTファシリティーズでは今後、ラック発熱量4kWを超す新築データセンターで、かつOasisの省エネルギー性能を最大限に発揮できる空調温度条件(吹出温度22℃以上、吸込温度34℃以上)をメインターゲットに、2020年度までに累計受注額200億円(うちOasisバルコニータイプ物販累計受注額60億円)を目指す。