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富士通がデジタル生産準備ツールを強化、製品組立構成を視覚的に作り込み可能に

 富士通株式会社は17日、デジタルプロセス株式会社が開発したデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS(Virtual Product and Process Simulator)」において、製品組立構成を視覚的に作成する組立製造業向けに機能を追加した新版を、同日より販売開始すると発表した。

 「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS」は、製品の組立プロセス検討を3次元モデルで支援するデジタル生産準備ツール。CADで作成した製品の3次元モデルデータを利用して、製品レビュー、製品組立時の工程検討、製造ラインのレイアウト検討、製造用ドキュメント作成といった生産準備の業務プロセス全体をカバーし、量産立ち上げをスムーズに行えるよう支援する。

 今回の新版では、製品の設計CAD構成をVPSの組立構成へ作り変える作業において、構成部品をすべて形状イメージで表示し、ユニット間の関係をチャートで表現することにより、視覚的に確認しながら組立手順を編集できる「構成ブロック」機能を提供する。これによって、大規模製品の組立構成の作成を大幅に効率化するという。

従来は選択部品を製造フローと3Dビューで確認していた(左)が、組立ブロック図によるアセンブリ構成の確認と構成作り込みを実現した(右)

 またVPS上で編集後に、元の設計CADデータに変更があった場合、設計変更を手作業で反映させることなく、短時間で自動的にデータ反映を行える「設計変更対応」機能を強化した。今回、処理時間を従来比で100分の1に短縮したため、さらなる作業効率化が図れるとのこと。さらに、3次元モデルの回転や拡大・縮小などにかかる表示速度を改善し、ストレスのない編集作業を支援するとしている。

 あわせて、製造ラインのレイアウトや工程検討を3次元で検証する「VPS GP4」では、ラインのレイアウトにあわせて作業者の歩行動線を自動的に計算し、シミュレーションを行う機能を搭載しているが、今回、作業者の昇降動作表現や作業者間の衝突確認を行えるようになり、より精度の高い作業動線検討が可能になった。

 このほか、組立性検証を行う「VPS Manufacturing」「VPS 組立動画」の工程フロー図(組立ブロック図)を、これまでのiOS端末に加えAndroid端末上でも閲覧できるようにしている。

 価格(税別)は、「VPS Digital Mockup V15L18」が250万円、「VPS Manufacturing V15L18」が250万円、両製品のセットである「VPS Standard V15L18」が400万円。また「VPS 組立動画 V15L18」が98万円、「VPS GP4 V11L15」が440万円。富士通では、2018年度末までに50億円の売上を見込んでいる。

VPS製品構成