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AI時代へElon Musk氏の回答か 脳・コンピューター接続のベンチャー

AIに警鐘を鳴らしてきたMusk氏の回答?

 Tesla、SpaceXを立ち上げてきたMusk氏は、テクノロジーとビジネスの両面での注目の的で、“未来学者”と紹介されることもある。その一挙一動が注目されており、Neuralinkの登場は、大きな反響を呼んだ。

 だが、Musk氏がNeural Lace分野に取り組んでいるという予兆はあった。今年2月、ドバイで開催された「World Government Summit」でMusk氏は、「将来、生物学的なインテリジェンスとデジタルのインテリジェンスが深くマージするだろう」と述べていた、とCNBCなどが伝えている。

 Musk氏は、この時、AI時代の人間についての考えを語っている。例えば「脳とデジタル版の自分自身の間のやりとりの速度、帯域幅が重要だ。中でもアウトプットが問題になる」と述べている。コンピューターは高速に大量の情報をやりとりできるが、人間には制限があることについて、「高帯域幅を持つインターフェイスが脳にあれば、人間と機械のインテリジェンスの間の平和的な共生が可能になり、制御や利便性といった問題の解決につながるかもしれない」と構想を語った。

 WSJも2016年6月のMusk氏の発言として、「AIの進化の速度をどうみるとしても、人間は後れをとる」との言葉を引用している。これはRe/Codeのインタビューでの発言とみられるが、Musk氏はここで、スマートフォンなどのデバイスによって、既に人間の“サイボーグ化”が進んでいるが、インターフェイスが問題になっていると述べていた。

 AIへの期待と関心が高まる中、Musk氏は以前からAIの進化に警鐘を鳴らしてきた。NeuralinkでMusk氏が試みるのは、AIが進化し、普及した時代に、どのように人間と共存するかという問題の追究だ。Musk氏は、AIが人間にとって脅威とならないためには「透明性」が必要であると強調しており、オープンにAIを研究するOpen AIも立ち上げている。