事例紹介
三三の「Link Knowledge」で膨大な名刺管理の悩みを解消するチェンジ
コンタクト先情報を社内で共有
(2012/12/18 06:00)
三三株式会社は、法人向けの「Link Knowledge」と個人向けの「Eight」の、2種類のクラウド型名刺管理サービスを提供している。いずれもスキャンや写真で送られた名刺データから、人間の手作業で確実に入力するのが特徴だ。さらにLink Knowledgeでは、社内で情報を共有して人脈を可視化でき、取引先企業などの情報として効率的に管理できるようになっている。
法人向けの研修事業とコンサルティング事業を手掛ける株式会社チェンジでは、Link Knowledgeをほぼ全社的に導入している。導入の狙いや効果について、株式会社チェンジ 取締役 金田憲治氏に話を聞いた。
一部から始め、全社に利用を広げる
株式会社チェンジは、新人や管理職などのビジネス研修を請負う研修事業と、iPadやiPhoneの企業導入を中心とするコンサルティング事業の、2つの事業部門からなる。
同社自身でも、2012年3月に全社員にiPadを配布し、積極的に使っている。特に、研修事業の営業活動では、多数の資料をタブレット端末に入れて客先で見せられる点などにメリットを感じているという。そのほか、スマートフォンはBYOD(Bring Your Own Device:個人所有端末の業務利用)の端末をMDM(Mobile Device Management)で管理し、メールなどに利用している。
Link Knowledgeを導入したのは、もともと名刺の管理に悩んでいたことによる。年賀状や会社移転などのたびに、全社員が大量の名刺から送リ先をリストアップするなど大変なことになっていた。「名刺は月に70~80枚ぐらい集まって、それがキャビネットに溢れるぐらいになります。昔のオフィスではローロデックスに名刺を集約していおけるぐらいの量だったのでしょうが、今は時代が全然違って、もはや管理限界を超えています」と金田氏は語る。
そんな中で、2年ほど前にたまたま知ったLink Knowledgeを導入した。まずは一部の人から導入し、半年前にユーザー数を広げ、社内のほとんどの人が使っているという。こうした導入の柔軟性もクラウド型のメリットだ。
事業部をまたがってコンタクト先情報を社内で共有
Link Knowledgeを導入して、最も効果があったのが、コンタクト先を社内で共有できる点だという。
上でも書いたように、株式会社チェンジは研修事業コンサルティング事業の2つに分かれており、しばしばコンタクト先が重なったりする。「それまでは、相手の会社を知ってそうな人を社内で見つけて声をかけるぐらいだったのが、Link Knowledgeを導入してからは、事前に調べて効率的にコンタクトできるようになりました。また、直接関係はなくても、別の部門にすでにコンタクトしていることがわかれば、話の糸口にもなります」(金田氏)。
現在、研修事業部門では営業担当が、コンサルティング部門ではほぼ全員がLink Knowledgeを使っている。それも、PCではなく、iPadやiPhoneがほとんどだという。「iPadであれば、訪問先に向かいながら、あるいは訪問先で待っている間でも、相手の情報を確認できます。セミナーやパーティなどで再会した人の名前を、こっそりiPhoneで確認したり、といったこともあります(笑)」。
名刺を探すという意味では、Link Knowledgeでは名刺の画像イメージが表示されるのも重要だ、と金田氏は指摘する。「ロゴなどの絵面が記憶と結びついていて、そこから探せます。単なるリストでは探しづらい」。
タブレット利用を提案
株式会社チェンジでは、企業でのiPadやiPhone利用のコンサルティングで、これから導入する企業には、社内への接続方法や、扱いのガイドライン、導入のための意思決定リストなどを提供している。また、すでに導入している企業に対しても、実際の仕事でどのように活用するか、シチュエーションごとに具体的に提案しているという。その中で最近では、自社で活用していることから、Link Knowledgeを提案するケースもでてきたという。
研修事業でもタブレットを活用していく考えだ。まだ実験段階だが、教材のペーパーレス化などを進めていきたいという。「それだけにとどまらず、“わかった”ボタンや“わからない”ボタンのようなインタラクティブな講義や、クイズ番組のように回答を並べて表示する機能、生徒どうしで教えあったりポストクラス(研修後)でテキストを軸に役立ったことを共有したりというソーシャルな機能などにも期待しています」と金田氏は豊富を語る。
名刺管理の将来像については「イベントの後などにはスキャンが面倒なので、名刺を名刺入れに入れるとそのままスキャンしてくれるような機械があるといいですね。ゆくゆくは電子名刺の時代になると楽になるでしょうし、いまの名刺管理サービスがその発行元になってもよいのでは」と金田氏は語った。