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「ITインフラで相談できるパートナーに」、レッドハット望月社長が記者会見

 レッドハット株式会社は21日、11月26日付けで代表取締役社長に就任した望月弘一氏の就任会見を開催した。

 望月氏は、1986年から2010年まで20年間以上、日本アイ・ビー・エム株式会社に在籍した。在職時の最終役職はグローバル・ファイナンシング事業部長兼執行役員。2010年からは、株式会社ディメンションデータジャパンの代表取締役社長を務めた。なお、ディメンションデータジャパン(旧社名データクラフトジャパン)は、2010年にNTTが買収した南アフリカDimension Dataの日本法人である。

レッドハット 代表取締役社長の望月弘一氏

Linuxを基盤に、プロダクトやソリューションを組み合わせた提案を強化

 会見の席で望月氏は、米Red Hatとレッドハット株式会社について、2016年度(2016年2月期)の事業の振り返りと、今後の事業戦略について語った。

 2016年度の事業戦略としては、「クラウド&モバイル」「ビッグデータ&IoT」「データセンター刷新」の3つの柱が掲げられていた。

 2017年度(2017年2月期)の事業ポートフォリオとしては、競争の源泉である「コアコンピタンス」のRed Hat Enterprise Linux(RHEL)を基盤に、その上で「クラウド」「ITマネージメント」「アプリケーションプラットフォーム」の3つのカテゴリーのプロダクト&ソリューションを提供する。それにより「お客さまのビジネスイノベーションに貢献し、ITのインフラで相談できるパートナーになる」(望月氏)という。

 コアコンピタンスの分野では、パートナーとの協業を第一に重視する。RHELの従来型のエンターライズ分野で築いてきた協業をこれまで以上にすると同時に、パブリッククラウド分野で、認定クラウド&サービスプロバイダー(CCSP、現在約40社)の拡大を図る。さらに、プライベートクラウド分野で、OpenStackアライアンスパートナー(現在30社)を質・量とも強化するという。

 「OpenStackの企業での導入が始まっている。エンタープライズで使うOSはRHELであり、RHELをドライバーにOpenStackが伸びる」(プロダクト・ソリューション事業統括本部 ミドルウェア事業部 事業部長 岡下浩明氏)。

 その上の「クラウド」「ITマネージメント」「アプリケーションプラットフォーム」については、「OSと違ってまだアーリーステージで、伸びしろがある」と望月氏。執行役員 マーケティング本部長の松原大助氏も、「Red Hatのカバーする範囲が、ここ数年で広がっている。RHELでは機能を訴求していたが、今後は、どう組み合わせるか、どう役立てるかを提案してほしい、という声に応える」と語る。

 そのために、レッドハット自身によるセールスやプリセールス、コンサルティングを強化するという。「パートナーの仕事を奪うわけではない。われわれが先陣を切り、パートナーとのフルな協業を築く」(望月氏)。

2016年度の3つの柱。「クラウド&モバイル」「ビッグデータ&IoT」「データセンター刷新」
2017年度の事業ポートフォリオ。RHELなどの「コアコンピタンス」の上で、「クラウド」「ITマネージメント」「アプリケーションプラットフォーム」を提供
2017年度の、RHELなどのコアコンピタンス分野。パートナーとの協業を、パブリッククラウドやプライベートクラウドに拡大
「クラウド」「ITマネージメント」「アプリケーションプラットフォーム」のソリューション強化

ビジネスポートフォリオや地域拠点を拡充

 日本法人の今後3年におけるビジネス目標についても語られた。

 まず「大幅な成長」。「いま国内IT市場の成長はほぼフラットと言われるが、レッドハットはLinuxで8%、それ以外の分野で10~12%の成長が期待されている。それを大幅に超える成長を目指す」(望月氏)。

 また「ビジネスポートフォリオの変革」。現在はビジネスポートフォリオの8割がRHELだというが、「このRHELの成長を維持しつつ、クラウド、ITマネージメント、アプリケーションプラットフォームを大幅拡大し、6:4ぐらいの割合にもっていきたい」(望月氏)。

 さらに「従業員数の大幅増強」と「地域拠点の拡充と強化」。大阪と福岡の営業所を拡大するとともに、名古屋にも営業所を設ける。「本社と、大阪・福岡・名古屋の営業所で、日本のIT市場の8割をカバーする」(望月氏)。

 これらのビジネス目標のための営業戦略は、まず、エンタープライズビジネスの強化。「これまでは特定の業種に偏っていて、日本の産業構成に沿っていなかった。これから、業種別の営業体制を強化する」(常務執行役員 エンタープライズ営業統括本部長 高橋倫二氏)。

 そのほか、すでに語られたように、エンタープライズだけでなくクラウドやIoTのパートナーの開拓、新プロダクトを加えたトータルソリューションの提案、地域ビジネスの拡大、プリセールス・サービスビジネスの強化が挙げられた。

日本法人の今後3年のビジネス目標。「大幅な成長」「ビジネスポートフォリオの変革」「従業員数の大幅増強」「地域拠点の拡充と強化」。名古屋の営業所も設ける
日本での営業戦略。日本の産業構成に沿った営業体制の強化、パートナーの拡充、トータルソリューション提案、地域ビジネスの拡大、プリセールスの強化

高橋 正和