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国内パブリッククラウドサービス市場予測、2015年は前年比29.5%増の2516億円規模に~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は6日、国内パブリッククラウドサービスの市場予測を発表した。2015年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比29.5%増の2516億円の見込みとしている。

国内パブリッククラウドサービス市場 セグメント別売上額予測、2014年~2019年(出典:IDC Japan)

 国内パブリッククラウドのIaaS市場については、開発環境や一般消費者向けウェブサイト/アプリケーションの稼働環境として利用されることが多く、この動向が市場の成長を牽引してきたと分析。さらに、2014年以降には、既存の業務アプリケーションをIaaS上に実装して稼働させる動向が加速傾向にあるとともに、ミドルウェアやシステムインフラソフトウェアのIaaS上での動作検証やライセンス体系の整備も進んでおり、これらが成長を促進しているとしている。

 国内パブリッククラウドSaaS市場も順調に推移しており、中でもモバイル対応に優れたコラボレーティブアプリケーションやCRMアプリケーションは「クラウドファースト」が浸透したと言えると指摘。また、SaaS ERM(Enterprise Resource Management)アプリケーションも急速に発展しており、国内パブリッククラウドSaaS市場は、モバイル対応、システム間連携といった特徴によって成長を継続すると分析している。

 これらの状況により、2019年の国内パブリッククラウドサービスの市場規模については、2014年比で2.8倍の5404億円に成長すると予測している。

 IDC Japanでは、パブリッククラウドサービスの発展により、起業/新規事業に求められる「技術力」「資本力/資金力」の障壁が大きく低下し、ビジネスアイデアを持つ一般的な企業や開発者がデジタル産業革命を起こすソリューション/サービス(IDC Japanでは、Intelligent Industry Solutionと呼称)を提供できるようになったと説明。IDC JapanのITサービス リサーチマネージャーの松本聡氏は、「Intelligent Industry Solutionは未踏分野への挑戦でもあるため、ユーザー企業とICTベンダーの協業によってソリューションが創出されることも多くなるであろう。その時、基盤となるPaaS、さらにはインテグレーションサービスが重要となる」と分析している。

三柳 英樹