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NSSOL、マルチクラウドの実用化に向けた検証センターを開設

 新日鉄住金ソリューションズ株式会社(NSSOL)は12日、マルチクラウドの実用化と、複数のクラウド環境をソフトで一元的に制御する技術の実現に向け「XaaS&SDx Integration Center」(以下、NSXIC)を開設したと発表した。同社のシステム研究開発センター内に設置される。

 プライベート、パブリックの両クラウド環境やオンプレミス環境などの形態にかかわらず、IaaS/PaaS/SaaSなど、複数のクラウドサービスを組み合わせ、適材適所で利用するマルチクラウドの実現により、ビジネスのニーズに対して、企業情報システムがより迅速かつ適切に対応できるようになると見込まれている。

 しかしマルチクラウドを実用化していくためには、どのようなサービスを選び、どのように連携させていくかといった全体デザイン(インテグレーション)が必要不可欠なほか、複数のクラウドサービスの利用を前提とした開発手法、運用の煩雑化、クラウド間でシステムを連携・移行する際の困難さ、データ配置・連携の難しさといった課題を解消していく必要があるという。

 そのためには、本番同等の環境を実際に構成し、システムの機能面だけではなく、性能、可用性、セキュリティなどの非機能面からも評価・検証を行い、実証済みのアーキテクチャを導入することが重要とされているが、NSXICでは、さまざまなクラウドサービスを組み合わせたアーキテクチャを評価できる検証環境を提供する。

 またシステム研究開発センターは、この環境を用いて、ユーザーニーズを基にしたマルチクラウドでのアーキテクチャの検討、顧客とのマルチクラウド実装に関する共同検証、マルチクラウド環境での性能試験など、高度なシステム評価の場を提供するとした。

 さらに今後は、ソフトによって複数のクラウドを透過的に利用・運用できるようにする技術を確立することで、マルチクラウド環境をより効果的かつ安全に活用可能な基盤を実現していく考え。

 なおNSXICの開設にあたっては、EMCジャパン、デル、日本IBM、日本マイクロソフトの4社が協力しているとのこと。

石井 一志