米Dell、ネットワークベンダーの米Force10を買収へ


 米Dellは20日(米国時間)、ネットワークベンダーである米Force10 Networks(以下、Force10)の買収意向を表明した。買収額等の条件は明らかにされていない。

 Force10は、データセンターや企業向けにスイッチなどのネットワーク製品を提供しているベンダー。かねて高速インターフェイス製品の提供に力を入れており、40Gigabit Ethernet(GbE)に対応可能なボックス型スイッチ「S4810」を製品化するなど、近年でもこうした流れは継続している。

 一方のDellは、「PowerConnect」ブランドのネットワーク製品を提供しているものの、J-Series、B-Series、W-Series(日本未発売)といった製品はそれぞれ米Juniper Networks、米Brocade Communications Systems、米Aruba NetworksのOEM製品で、自社開発での提供は一部製品に限られていた。

 こうした状況の中ネットワークは、サーバー仮想化を中心にデータセンター全体が仮想化される流れの中において、その重要度を増してきた。その中でも特にEthernetは、iSCSIの普及、FCoEの登場などによって、SANストレージのインフラとしても注目を集めるようになっている。

 また、ライバルベンダーである米HPが3Comを買収したほか、巨大なネットワークベンダーであるCiscoがサーバー製品を提供するなど、サーバーとネットワークの双方を手掛けるベンダーがいくつも登場しており、クラウド・コンピューティングにおけるサーバー、ネットワークの融合も進みつつあるのが現状だ。

 今回のDellによるForce10買収の試みは、このようなネットワークの重要性の高まりを受けたものと見られており、Dellも「ネットワークの追加はDellのサーバーにとって自然で、理想的なことだ」とコメントしている。

 なおForce10は非公開企業だが、12カ月の収益をもとにすると、約2億ドルの価値があるとしている。

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