日本HP、スケールアウト型iSCSIストレージの運用性や可用性を強化


P4000 G2 SANシリーズの1つ「HP StorageWorks P4500 G2 SANソリューション」

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は7日、スケールアウト型のiSCSIストレージ「HP StorageWorks P4000 G2 SANソリューションファミリ」(以下、P4000 G2 SAN)を機能拡張すると発表した。最新OSの「SANiQ9.0」を搭載し、仮想化環境へのさらなる最適化を図っているという。出荷は、同日より順次開始される。

 P4000 G2 SANは、スケールアウト型の拡張が可能なiSCSIストレージで、米HPが買収した米LeftHand Networksの製品をベースにしている。特徴は、ストレージ仮想化技術により、構築・運用を容易に行える点で、コストメリットが高く、ミッドレンジクラスとしては高い可用性を持っていることから、好調な販売を続けているという。

 最新OSとなるSANiQ9.0では、仮想化環境へのさらなる最適化を図るため、「運用性」「性能」「バックアップ機能」「可用性」という4つの点で、大きく機能拡張を行っている。このうち、「運用性」については、管理ツール「CMC」が日本語化されたほか、自社のサーバー統合管理ツール「HP Systems Insight Manager ver.6.2」との連携を実現し、ブレードサーバーなどとあわせ、システム全体の運用管理を行えるようにした。また、HP 通報サービスに対応したため、障害情報のうち、保守対応を必須とする情報を日本HPに自動通報できる。

 また、「バックアップ機能」では、VMware vSphere 4.1のストレージ機能「VAAI」をサポートしており、バックアップ時のネットワーク負荷を軽減。「性能向上」においては、ストレージボリュームにアクセスするためのセッション方式として、既存の独自方式「P4000 DSM for MPIO(LEFTHAND DSM for MPIO)」に加え、Windowsがもともと持つ「Microsoft DSM」に対応し、ユーザー環境に応じたセッション方式の選択を可能にした。さらに、サーバークラスタ環境などにおける、ボリュームあたりのセッション数を最大256に拡張したことで、大規模なクラスタ環境でも利用できるようになっている。

 最後の「可用性の向上」においても、「ネットワークRAID」機能が拡張され、パリティデータを用いたネットワークRAID 5/6をサポートした。ネットワークRAID 5は3ノードクラスタから、ネットワークRAID 6は5ノードクラスタから利用できる。

 価格は、「HP StorageWorks P4500 G2 7.2TB」が302万4000円から、「同 14.4TB」が577万5000円から。

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