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NEC、ExpEtherや高密度サーバーなど、IoTソリューションを支えるICT基盤製品を提供

開発要員も1000名体制へ増強図る

 日本電気株式会社(以下、NEC)は9日、IoTソリューションを支えるICTプラットフォーム製品と体制を強化すると発表した。エッジコンピューティングを中核に、デバイスを含めた統合運用管理やデータ分析など、IoT関連技術に注力する計画で、2016年度中に、開発要員を1000名まで増員するという。

 NECではIoTを、1)実世界との接点となるDevice Computing、2)IoT連携制御処理を行うEdge Computing、3)データを利活用するためのCloud Computing、4)Device ComputingとEdge Computing間でデータ連係を行う、ZigBee、Bluetoothなどを活用した近距離ネットワーク、5)Edge Computingと第3層のCloud Computing間でデータ連係を行う広域ネットワーク、といった5つの層でとらえている。

 今回は、そうした5層モデルにおいて、セキュリティとリアルタイム性を確保し、実世界とサイバー世界をシームレスに接続するシステムを提供するにあたり、以下の5点をICTプラットフォームの強化方針として、製品の開発・拡販を推進するという。

・デバイスから収集された大量のデータをリアルタイム処理し、有効に利活用するための「高速・高精度な分析処理」
・負荷の変動に応じて、アプリケーションを最適な層で実行させ、効率的なシステムを実現する「分散協調型処理」
・デバイスから収集されたデータを安全かつ効率的に処理する「デバイスの仮想化」
・5層全層にわたる「セキュリティ」の確保とデバイスやネットワークを含めた「統合運用管理」

ICTプラットフォームの強化方針

 これを踏まえた製品強化の第1弾として、大量のデータ分析に最適な高集積サーバー「DX2000」や、離れた場所にあるCPUやGPUなどのコンピュータリソースを、高速な通信を介して接続する「ExpEther 40G」を提供する。さらに2016年度には、スマートデバイスからクラウドを介してデバイスを遠隔利用可能なソフトウェア「Collaboration Assistant」を発売するとのこと。

 このうち「DX2000」は、1ラックあたり572台のサーバーを収容でき、Hadoopと組み合わせることで、従来システムでは数時間かかる分析でも、数秒~数分で処理できるという。また、高集積化により省電力や省スペース化を実現しており、運用コストを30%削減できるとのこと。サーバーは1シャーシ14台から導入可能で、必要に応じて拡張できる。価格は1150万円(税別)から。2016年2月の出荷開始を予定する。

DX2000
DX2000(ラック搭載時)

 「ExpEther 40G」は、CPUやGPU、HDDといったコンピュータリソースを、Ethernet経由で遠隔接続できる製品。CPU/GPU/HDDなどの各種デバイスを搭載し、離れた場所に設置可能な「ExpEther I/O拡張ユニット」のリソースを、あたかも自身の内部に搭載しているかのように、サーバーから利用することができる。

 なお、通信にはNECの独自技術である高速・軽量暗号技術「TWINE」を活用しており、データ量の増加に応じた効率的なシステム拡張や、安全で高速なデータ転送を実現するとしている。価格は55万円(税別)からで、2016年3月の出荷開始を予定する。

サーバーなどのホスト側に搭載するExpEtherボード
ExpEther I/O拡張ユニット

 3つ目の「Collaboration Assistant」は、デバイス層において、従来の仮想化技術では困難だったセンサーや周辺機器を活用したデータ収集や、機器操作、アプリケーション利用を可能とするクラウドサービス。これを利用することで、例えば現場作業者がスマートフォンなどを用いて収集したデータや作業状況が、クラウドセンターを介して熟練技術者などと共有される。これにより、場所や距離の制約を超え、さまざまなノウハウを生かせるため、現場作業の効率化に貢献するとした。

石井 一志