日本オラクル、クラウドCRMの新版「Oracle CRM On Demand R18」~大企業向けにセキュリティ機能を強化

運用円滑な導入やバージョンアップを支援する無償サービスも提供開始


 日本オラクル株式会社は21日、クラウドCRMアプリケーションの最新版である「Oracle CRM On Demand R18」の提供を開始した。Oracle CRM On Demandは、営業、コンタクトセンター、フィールドサービスにおける業務を提供するクラウドCRMアプリケーションである。また、単なるCRMのサービスに加え、BI機能も提供している。

日本オラクル CRM On Demand統括本部 セールスコンサルティング&ビジネス推進部 部長の山瀬浩明氏

 21日に開催された製品説明会において、日本オラクル CRM On Demand統括本部 セールスコンサルティング&ビジネス推進部 部長の山瀬浩明氏は、「ここ数年でクラウド型のサービスは、ビジネスの一部機能だけの利用から、ビジネスの中心機能へとシフトしている」とし、「企業レベルのセキュリティ機能や、ビジネス変化への柔軟性が重要になる」と語った。

 最新のリリースとなるOracle CRM On Demand R18の機能強化点について山瀬氏は、「コンプリートCRMのさらなる進化」「エンタープライズレベルの運用・セキュリティ」「Oracle CRM On Demand Services」の3本の柱にあるとした。一般的に知名度の高いクラウドCRMとしては、セールスフォースのサービスが知られているが、山瀬氏は「機能的には、リリース17の時点でセールスフォースに追いついていた。今では業界別テンプレートやBI機能など、より差別化できる機能が多数追加されている」と自社のサービスへの自身をにじませる。

Oracle CRM On Demand Business Planning の画面イメージ

 CRMアプリケーションとしての強化点としては、業種テンプレートの追加や強化に加えて、日本では特に需要の高い代理店管理機能(Partner Relationship Management:PRM)が強化されている。また、Business Plan分析や使用状況レポートなど、BI機能についても、新機能の追加や機能強化が行われている。特に、CRM業務を支援する新機能の「Oracle CRM On Demand Business Planning」では、ターゲット顧客の選定、提案する製品、売り上げ見込みなどを計画できる。また、作成した営業計画は、Oracle CRM On Demandのマーケティングや営業支援の機能に反映させ、実行することも可能である。

 セキュリティ機能の強化では、これまでアプリケーションの一部でしか実現していなかった監査証跡は、すべての画面で証跡を残すことができるようになった。万が一、情報漏えいなどが起こった場合でも、速やかに流出経路を特定することができる。VPNにも対応したため、ネットワークセキュリティへの不安から利用に二の足を踏んでいた企業や、プライベートクラウドでの対応を検討している企業にも新たな選択肢となる。そして、Oracleが提供するサービスであることの最も大きなメリットは、Oracle CRM On Demand R18のデータベースは「Oracle Database 11g DataVault」による暗号化技術で守られている点が挙げられるだろう。

 また、クラウドへの要求が強まる中、Oracleでもより規模の大きな(ユーザー数の多い)案件が増えているという。そこで日本オラクルでは、ユーザー数200名、契約期間36カ月以上の顧客を対象に、迅速で円滑な導入やアップグレードを支援する無償のサービス「Oracle CRM On Demand Services」を提供する。

 本サービスでは、オラクルの技術者による導入支援、有効的な活用を促すための4カ月に1回の調査と報告、さらに「Oracle CRM On Demand」の機能の適切かつ効果的な利用を促すトレーニングが提供される(ユーザー200名未満の企業に対しては、有償で同じサービスを提供)。

 価格は、1ユーザーあたり月額8559円から。

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(北原 静香)
2010/10/22 06:00