企業のPC買い替え意向は回復基調、Windows 7も順調-IDC Japan調べ
IDC Japan株式会社は22日、ユーザー調査および取材結果を基に国内PC市場のビジネスユーザー動向を分析し、その結果からPC市場が回復基調にあると発表した。
今回の調査では、2009年どにPCを購入した実績のあるユーザー企業1000社のIT管理者を対象に、Web調査を実施した。
2010年度にPCの買い替え意向のあるユーザー企業の割合をみると、47.2%の企業は2009年度と同等の台数、あるいはそれ以上の買い替えを予定。「壊れるまで使用する」と買い控えを思わせる回答も、2009年度の25.6%から12.8%に半減していた。特に買い替え予算の準備を進めていたのは、企業規模別では500人以上、産業別では金融が高い割合となっていた。
一方、2010年度のPC製品に対して全体の86%が満足していると回答。理由は「価格が安い」「障害が少ない」が上位2項目となった。
また、2010年度のWindows 7導入を計画している企業の割合は42.8%と、2009年度の32.3%を大きく上回った。この中で「半年以内に評価を完了させ、問題がない場合は導入する」と考えている企業は18.2%に上った。これらからも「Windows 7の導入率は向上しており、法人向けPC市場においても買い替えに寄与すると考えている」(IDC Japan)と説明。
「今回の調査結果から、2010年にはPCの買い替えは大きく促進されると考えられる。景気後退や金融危機の影響のため、2009年度のPCの買い替えは停滞したが、2010年度はPCの買い替えを考えている企業は増加傾向にあり、需要が回復してきたと考えられる。しかし、PC製品のコモディティ化は進んでおり、市場は成熟し、高い成長は見込めない。今後はクラウドあるいは仮想化技術などの成長ドライバーを適応させ、ITの集中化・標準化・セキュリティのサイクルに組み込んで最適化することが、PC市場成長の鍵を握る」と分析している。