NTT、ネットワーク障害の原因を高精度で推定するAI技術を開発

　日本電信電話株式会社（以下、NTT）は30日、NTTグループのAI技術「corevo」として、ネットワーク障害を高精度で判定可能にする「障害原因とアラームの因果関係」を自律的に導出するAI技術を開発したと発表した。

　開発した技術は、障害時にネットワーク装置などから発せられるアラームなどのイベントをもとに、その障害特有のイベントの組み合わせを抽出することで、障害原因とイベントのルールを導き出すもの。さらに、保守者の日々の運用ノウハウを学習することで、ルールの精度を向上させられる。

　技術は、オープンソースのリアルタイム分散機械学習基盤「Jubatus」を用いて実現。データセンターなどの商用ネットワークの運用データにより、ハード故障、ソフト故障、トラフィック圧迫、ストーム発生などのルールが生成、修正されることを確認した。また、技術で生成したルールと装置からのイベントをルールエンジンに与えることにより、出力される障害原因が正しいことを確認した。

　NTTでは、今回開発した技術により、これまで数時間から数日要することのあった大規模ネットワークにおける障害原因の分析・切り分け作業を、数秒程度に短縮することが期待されると説明。2018年度に実サービスでの利用開始を目指すとともに、その後通信以外の分野へ適用拡大を目指す。