ニュース

IoTは製造業での取り組みが加速、中小規模でも活用広がる~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は17日、国内企業における先端IT技術活用事例の調査結果を発表した。3月に実施したアンケート調査結果に加え、ユーザー企業への取材によるケーススタディを踏まえて、先端IT技術活用におけるユーザー企業の動向と課題の分析を行ったという。

 IDC Japanが実施した国内エンドユーザー企業向け調査では、従業員1000人以上の製造業企業で、自社にIoTを導入済みと回答した割合は21.4%。また、2016年度以降に導入予定であると回答した企業の割合は32.9%で、製造業の大企業においてはIoTの活用が加速していくことが示唆されていると、同社は指摘した。

 また、中堅・中小企業でも活用の広がりが見られているとのこと。同調査では、認知システムについては特に金融業で活用が広がっていることが明らかになっており、産業分野別に先端IT技術の活用状況が異なっているという。

 一方、小売業ではカスタマーエクスペリエンス、公共/教育/医療分野では国の競争力向上といったように、テクノロジーの活用よりも目的に沿った技術活用のあり方に検討の主眼が置かれているため、特定の技術に対して支出が増加しているなどの傾向はなかったとのこと。

 先端IT活用の事例調査では、アクア株式会社のIoT活用事例や、日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会による、中小企業におけるクラウドを活用した共同受注システムについて取り上げた。

 IDC Japanによれば、どちらのケースも、先端技術を活用して事業成長を実現するためには単なる技術の導入だけでは不十分であり、経営戦略に組み入れた検討を実施すべきだという点を示しているとのこと。

産業分野別IoT導入状況(従業員規模1000人以上)【出典:IDC Japan】