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Windows無償化でモバイルに挑む Microsoftのデバイスとサービス戦略

Windowsを無料に――大胆な動き

 一方、ビジネス面でも新しい発表があった。画面サイズ9インチ以下の端末でWindowsとWindows Phone OSを無償で提供するというもので、実質スマートフォン向けにはWindowsはライセンスは無料となり、小型タブレットでは無料となる。

 Microsoftは創業時から、標準ハードウェア向けにOSをライセンスすることを事業哲学として、その後のLinux、オープンソースの台頭にあってもこのライセンスビジネスを固く守り続けてきた。そのMicrosoftから出てきた「Windowsを無料でライセンスする」という言葉に対し、メディアは「タイタニックのような動き」(PC World)、「大きな、大胆な動き」(Wired)などと評している。

 もちろん、この方針転換の背景にあるのはAndroidだ。2007年にGoogleがスタートしたAndroidは、いまやスマートフォンの約8割を占めるに至っており、とうとうタブレットでもiPad/Appleを抑えてトップとなった。OEMから見たAndroidの最大の魅力は「無料」だ。Microsoftがデバイスとサービスカンパニーを目指し、Nokia買収などの策を講じるたびに、Windows Phoneのライセンスが根本課題とされてきたが、ついにMicrosoftはこれに自らメスを入れたのだ。

 MicrosoftでWindows OSグループ担当エグゼクティブ ヴァイスプレジデントを務めるTerry Myerson氏は「Windowsが動く素晴らしいモバイル端末の製造を加速し、ユーザー数を増やすため」と狙いを説明している。Myerson氏はまた、OSライセンス無償化に合わせて「Office 365」のサブスクリプションについても1年分を無料でバンドルできるようにするとも発表した。

 もう一つの無償提供するのが「Windows for IOT」といわれる“モノのインターネット”向けのWindowsだ。Googleが「Android Wear」を発表し、ウェアラブルやモノのインターネットの時代が本格化する中でMicrosoftもレースに本格参戦する。

(岡田陽子=Infostand)