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日本HP、リアルタイム分析用途にNonStopサーバーを適用へ

新エントリーモデル2製品も発表

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は13日、無停止型サーバーソリューション「HP Integrity NonStopサーバー」(以下、NonStop)において、エントリーモデル「HP Integrity NonStop NS2300 サーバー」(以下、NS2300)と「HP Integrity NonStop NS2400 サーバー」(以下、NS2400)を提供すると発表した。また、リアルタイム複合イベント処理(CEP)を実現するソフト「WebAction」とNonStopのデータベース「HP NonStop SQL/MX」の組み合わせにより、外部のビッグデータ解析システムと連携したリアルタイム処理を実現するという。

 「NonStop」は、ミッションクリティカルシステムなど“止められない”システムで利用される無停止型サーバーソリューション。24時間365日連続稼働をコンセプトに設計されたハードウェアとOS、ミドルウェアなどから構成されており、停止しないことをハードウェアとソフトウェアの両面から追求しているという。

 従来は、受発注や在庫管理などの基幹業務分野に適用されるケースが多かったものの、ミッションクリティカル領域の拡大に伴い、メールやコラボレーション、ビジネスアナリティクスをはじめ、さまざまな適用領域を拡大してきた歴史を持つ。

 今回はさらに、「リアルタイム分析まで適用範囲を広げる」(HPサーバー製品統括本部 統括本部長の橘一徳氏)ことを目的として強化が行われた。

 橘氏は、「基幹システムから生み出されたデータをリアルタイムに分析し、企業の次のアクションへつなげていくことが求められている」と昨今のトレンドを指摘。それを実現するシステムとして、「HAクラスタシステムでのフェイルオーバーでは、(待機系への)切り替えに数秒から数分かかってしまう。基幹系データで取りこぼしが発生しては問題なので、無停止型のサーバーで確実にデータを収集し、保護していくプラットフォームが必要とされている」と述べ、NonStopによるリアルタイム分析の優位性をアピールした。

HPサーバー製品統括本部 統括本部長の橘一徳氏
NonStopによるCEPのメリット

 今回はこれを実現するために、WebActionとの連携を実現。外部サーバー環境に構築されたWebActionから、NonStopの上に収集・蓄積された基幹業務データにアクセスし、リアルタイム分析を行うことにより、適切な事業行動につなげる情報をユーザーに提供できるようにする。また、「HP Vertica」などの高速データウェアハウス(DWH)とのリアルタイムデータ連携を実現する「Attunity」もサポートした。これらの適用例としては、例えば、与信データと位置情報をもとにした不正検知や、購買履歴をもとにした値引率のコントロールなどが挙げられるという。

WebActionとの連携
AttunityによるVerticaとの連携

 一方、ハードウェアの新モデル「NS2300」「NS2400」は、従来のエントリーモデルを置き換えるもの。いずれも、Itanium 9500シリーズ(開発コード名:Poulson)を搭載。「NS2300」はシングルコア動作、「NS2400」はデュアルコア動作をベースとしており、最大4プロセッサ、192GBメモリまで拡張できる。メモリについては、従来の1.5倍まで容量が拡張されているため、これまで以上。に高信頼・高速なトランザクション処理環境を提供できるとのこと。また、ソフトウェア環境や無停止アーキテクチャは上位モデルのものを継承している。

 価格は、「NS2300」が1110万円(税別)から、「NS2400」が1937万円(税別)から。

新モデルの特徴

石井 一志